【Letter from the Chair】WEリーグ岡島チェアコラム vol.4「プレシーズンマッチ開幕」

拡大画像を見る

 2021年秋に日本初の女子プロサッカーリーグ『WEリーグ』(Women Empowerment League)が新たに開幕する。「女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する」を理念に掲げる船の舵取り役は、FCジンナン在籍時にAFC女子選手権出場経験を持ち、大学卒業後はアメリカの金融機関で長年の勤務経験を持つ岡島喜久子初代WEリーグ理事長(チェア)に託された。

 岡島チェアが何を感じ、何に取り組んでいるか、手記を毎月連載する。第4回は4月末から始まったWEリーグプレシーズンマッチと、アメリカの女子サッカーの状況について。



【第4回】

 WEリーグプレシーズンマッチが4月に開幕し、折り返し地点を迎えました。新型コロナウイルス感染者数の増加で緊急事態宣言が出される直前でしたが、まずは開幕を迎えることができてほっとしました。各試合でライブ配信があり、私もアメリカにいながら観戦することができました(IPアドレスを合法的に日本にするサービスを使うと、海外でも配信を受けられます)。新しく女子チームを編成したクラブも、準備期間が短いにもかかわらず、チームとしてきちんとゲーム展開ができていて頼もしい限りでした。WEリーグの誕生で、なでしこリーグの選手がシャッフルされて、以前からのチームも新しい面を見せてくれています。

 プレシーズンマッチ開催に至るまで、WEリーグ事務局では新型コロナウイルス対応ガイドラインを作成し、管轄の政府機関に確認をしていただいたり、PCR検査の頻度を決めたり、陽性者が出た場合の対応を話し合ったり、と時間をかけました。WEリーグのような規模のスポーツイベントでさえ、これだけの労力を費やすことを考えると、プロ野球やJリーグ、またオリンピックに関わる方々のご苦労は想像を絶するものがあります。

 私が住むアメリカ、メリーランド州ではワクチン接種がかなり進んでいて、私も2度のワクチン接種が完了しました。受けた日にちやワクチンの種類などはメリーランド州保健局のウェブサイトで確認ができ、携帯電話で表示が可能です。ちなみに私の場合、1度目の接種時は副反応ゼロ、2度目は30時間後に38度の熱が出ましたが、一晩寝たら治りました。NWSL(アメリカ女子サッカープロリーグ)では、選手、役員ともに2度目の接種を終えていますが、開催は慎重に行なっています。観客席においては、ポッドという6人のグループシートを設け、会場によっては1人観戦でもポッド全体を購入しなくてはいけないところもあります。

 私は女子サッカー先進国のアメリカに住んでいるというメリットがあるので、NWSLやアメリカの大学とコンタクトを取っています。先日、NWSLのコミッショナーであるリサ・ベアードさんと面談する機会があり、コネチカット州グリニッジにあるご自宅にお招きいただきお話ししました。NWSLは選手全員を直接雇用しています。その大きな理由は選手が支払う健康保険料を安くするためです。日本では国民健康保険があるので、選手は個人事業主になれますが、アメリカではオバマケアがあっても、個人で健康保険を得るのは高額だったり、難しかったりします。昨年コロナで試合が開催できなくなった時のご苦労を伺いました。政府の小規模企業のための雇用保証制度を申請して、何とか選手への支払いを確保したそうです。

世界中でコロナウイルスとの戦いが続いています。オリンピック開催の7月、WEリーグ開幕の9月にはどのような状況になっているか、予測が難しいのが悩ましいです。

関連リンク

  • 5/21 19:00
  • サッカーキング

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます