欧州で一足早くワクチンを接種した記者が語る予約手続きや副作用

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 一向に進まないワクチン接種の状況に、苛立ちを覚えている読者の方も多いだろう。一方で、コロナウイルスによる多くの死者・感染者を出した欧州では、順調にワクチン接種が進んだことで、少しずつ日常が戻りつつある。

◆ワクチン接種の予約はわずか数分で完了

 本稿では、東欧・ポーランドで暮らしている筆者が、実際にワクチンを接種するまでの流れをお伝えしたい。当初、ポーランドでは指定された時間よりも早く接種会場に来た人たちが溢れるなど、混乱が見られたが、はたして無事ワクチンを接種することはできるのか……。

 まずはワクチン接種の予約から。受付は電話もしくはインターネットで行われ、筆者はこちらの銀行口座を持っていないので、電話での申し込みとなった。繋がるまでに何分、何時間かかるのかと身構えていたが、わずか数十秒でアッサリと通話に成功。住所・電話番号・PESEL(※ポーランドのマイナンバーのようなもの)を伝えると、翌々日にはジョンソン&ジョンソン製のワクチンを受けられることが決まった。

 電話予約が完了すると、数分後には早くも登録した電話番号に接種の場所や時間が送られてきた。予想していたよりも、はるかに効率がいい。

◆土壇場でまさかのワクチンが変更される

 現地の友人からは「ポーランドの役所は待たされるから、軽食と飲み物は絶対持っていけよ」とアドバイスを受けていたが、当日はアッサリと病院内に入ることができた。

 内部では軍人の誘導によって、まずは事前アンケートを記入する。内容は直近の咳や発熱、持病やアレルギーの有無などで、こちらもスムーズに記入できたが、導線を整理していた軍人のお姉さんから、衝撃のひと言が……。

「お兄さん、ジョンソン&ジョンソンのワクチンですか? やっぱり、今日はないそうなので、ファイザーのものになります」

 え!? ジョンソン&ジョンソン製のワクチンなら接種が一回で済むと浮かれていたが、土壇場でワクチンの種類を変更されてしまった。これにより、筆者は2回ワクチンを接種することに……。

◆会場到着から約20分で接種が完了

 突然の変更に戸惑いながらも、記入したアンケートを渡し、もう一度住所・電話番号・PESELを確認。すると、続いては病室への待機列に案内された。

 待機の列は4~5人程度で、5分ほど待ったあと病室に入ると、男性医師と女性看護師が待機していた。ここでもう一度アンケートの内容を口頭で確認され、ついにワクチンを注射することに……。

「相当痛いらしい」と、すでにワクチンを接種した知り合いやネット上の情報にビクビクしていたが、看護師はテキパキと準備を進め、医師も笑顔で対応。取材用に写真撮影をしていいかと尋ねると、「じゃあ、僕が撮りますよ!」と医師もノリノリだ。また、怯えていた注射は、むしろこれまででもっとも痛くなかったほどだ。

「お疲れさまでした〜。日本語では『サヨナラ』で合ってましたっけ? 妹がアニメ好きで、よく日本の話を聞かされるんですよ〜」

 愛想もノリもいい医師の対応もあって、注射も大成功である。病室を出て時計を確認すると、なんと会場に来てから20分も経っていなかった。

◆立ちくらみや腕の痛みなどの副作用も

 さて、気になる副作用だが、まず真っ先に感じたのは立ちくらみのような症状だ。病室を出てすぐに頭がクラクラし始めたが、15分待機している間にはだいぶ治り、発熱や吐き気はまるで感じられなかった。

 帰宅すると眠気と怠さに襲われたが、こちらは副作用なのか単に眠かったのか微妙なところ。なんにせよ、接種当日の仕事は休んだほうが正解だろう。ちなみに、すでに2回とも接種した知り合いからは、2回目は副作用が強いので、翌日も休みにしておいたほうがいいとのアドバイスを受けた。

 また、腕の痛みはワクチン接種から2〜3時間後にやってきた。例えるなら、「肩パン」を喰らったあとというか、軽い筋肉痛のような感じ。腕を動かしたり、肩を上げなければ、気にならない程度だ。

 さて、想像とは反対に驚くほどスムーズに実施できたワクチン接種。医療体制の整備や、ワクチン接種が一向に進んでいない日本には、正直ショックを覚えているが、一刻も早く平穏な日常が戻ることを祈りたい。

<取材・文・撮影/林 泰人>

【林泰人】
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン

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