直木賞作家・島本理生原作のオススメ映画3選!心揺さぶる繊細な熱情

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純文学からエンタメ小説まで幅広く才能を発揮する直木賞作家・島本理生(しまもとりお)。これまでに3作品が映画化され、これからも映画化オファーが殺到するであろう、日本映画界注目の作家・島本理生のオススメ映画を3本ご紹介します。

映画界も注目!直木賞作家・島本理生

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1983年生まれの作家・島本理生(しまもとりお)。17歳で「シルエット」が第44回群像新人文学賞受賞。

以来、「リトル・バイ・リトル」(2003)「生まれる森」(2004)「大きな熊が来る前に、おやすみ。」(2006)「夏の裁断」(2015)で4度の芥川賞候補、「アンダスタンド・メイビー」(2011)で直木賞候補、「ファーストラヴ」で直木賞を受賞するなど、常に「受賞」「映像化」など具体的に目標を定め、邁進し続ける作家です。

代表作は山本周五郎賞候補になり、「この恋愛小説がすごい!2006年版」1位、本屋大賞ノミネートのベストセラー小説「ナラタージュ」。どの作品も私達が普段言葉にしたくても上手く言い表せない心の機微を的確かつ繊細に表現しています。

今回はそんな島本理生原作のオススメ映画を3本ご紹介します。

映画「ファーストラヴ」(2021)

KADOKAWA映画

ファーストラヴ(2021)

ファーストラヴ(2021)

2021年/日本/119分

作品情報 / レビューはこちら

島本の直木賞受賞作を実写化した映画「ファーストラヴ」。ある日、父親を殺害した容疑で女子大生の聖山環菜(芳根京子)が逮捕された。

事件を担当することになった公認心理士の真壁由紀(北川景子)と義理の弟で弁護士の庵野迦葉(中村倫也)は「動機はそちらで見つけてください」と言い放ち、面会のたびに表情を変える環奈に翻弄されていく。それぞれが真実を見極めようと足掻くうちに、由紀は自身が封印した過去のトラウマと向き合わざる得なくなっていき・・・。

島本は筆舌しがたい感情を表現するのが上手いと前述しましたが、本作はまさのその真骨頂。環奈を演じている芳根は言葉にせずとも「痛い痛い」と全身が叫ぶような名演ですし、それを受ける北川と中村もジリジリとトラウマまで追い詰められていく様が凄みを帯びています。

トラウマは外側からは見えない、けれど確実に人を壊してゆき、それを救うのもまた人なのだと、困難を乗り越える勇気が湧いてくる作品です。

映画「Red」(2020)

【公式】日活MOVIEチャンネル

Red

Red

2019年/日本/123分

作品情報 / レビューはこちら

島本の直木賞受賞作を実写化した映画「Red」。優しい夫(間宮祥太朗)と可愛い愛娘がいながら、かつて愛し傷つけられた男・鞍田(妻夫木聡)と10年ぶりに再会した塔子(夏帆)。

かつての恋が再燃するのに時間はかからず、二人は愛の淵へと真っ逆さまに堕ちていく。鞍田の秘密が明かされた時、抑圧された中で生きてきた塔子が下す決断とは?

島本初の官能小説として話題になった原作を映画「縫い裁つ人」「幼な子われらに生まれ」の三島有紀子が映像化したセンセーショナルな恋愛映画です。島本と三島は作風の相性が良く、まずはこの二人のタッグ作という贅沢を堪能。

本作はラストが原作と大きく違うのですが、三島が原作を深く理解しているからこそ、出来上がったシーンで原作ファンも「どちらもいいな」と思わず唸ってしまうラストです。

しばらく恋愛ものから離れていた妻夫木ですが、恋愛ものでの妻夫木は女性が「こう愛されたら至福だな」と沼落ちする切ない愛し方をするんです。

妻夫木演じる鞍田が塔子に対し、どんなに離れた距離にいても絡みつくような視線や他の男性を「手出したら殺す」くらいの勢いでけん制する視線の圧の凄いこと!それに絡み取られていく塔子とのラブシーンも切なさと刹那的な欲望がだだ漏れでエロい!!

塔子を取り巻く3人の男性陣もそれぞれの歪さが魅力的で、塔子の足場がガラガラ崩れていく中で、なかなか決断できない弱さとそれでも手を伸ばそうとする強さに、激しく心を揺さぶられます。自分にとって生涯でたった一人の人を思い出してしまう名作です。

映画「ナラタージュ」(2017)

Asmik Ace

ナラタージュ

ナラタージュ

2017年/日本/140分

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島本の累計発行部数40万部突破のベストセラー同名小説を行定勲監督が実写化した映画「ナラタージュ」。高校時代に教師と生徒として出会った演劇部顧問の葉山(松本潤)と大学生の泉(有村架純)。

高校時代の密やかな思い出を共有する二人は、再会後、距離を縮めるが、葉山には別居中の妻がいることが発覚。思いを断ち切ろうとする泉だったが、ある事件が起き・・・。

「壊れるくらい、あなたが好きでした」。そんな恋をしたことがある方必見の純度100%のラブストーリーです。

葉山、泉、泉に恋する小野(坂口健太郎)が、最初から最後までひたすら好きな人を思う男、女の顔をしています。同じ恋でも想い方によって、こんなにも人の表情は違うのかと、あらためて恋愛というものの凄さを見せつけられます。

「あなたは一番好きだった人を思い出す」のキャッチコピーにまんまとハマる、彼らの恋と自らの恋が重なり合い、深い余韻を残す作品です。

島本理生×映画=骨太なラブストーリー

KADOKAWA映画

島本理生の作品はどれも「これは私の物語だ」と思わせる繊細な感情表現が多いことから、映像化の難易度が高く、監督、俳優ともにかなりの実力を求められます。今回、ご紹介した3作品を手掛けたのも堤幸彦、三島有紀子、行定勲と繊細かつ丁寧な感情表現に定評のある実力者ばかりです。

どの作品も制作陣と俳優陣は自らの壁を破り、新たな才能を開花させています。チャレンジするのは難しいけれど、成功すれば純文学の香りがする重厚な名作が出来上がるハイリスクハイリターンな島本理生作品。我こそは!という映画人にどんどんチャレンジしていって欲しいですね。


(文/リリヲ)

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