「孤独から逃げるための結婚」33歳女性がつらい婚活の末に、アプリ婚するまで

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 30代の女性は独身でバリバリと総合職として働いていたり、結婚していたり、子供をもうけて育児に追われていたりとそのライフスタイルは様々である。そして、時折自分とは違う人生を歩んでいる同年代の女性が羨ましく思えることが私にはある。しかし、リアルの30代女性の生き方はどうなのか。

 今回は、二度のつらい婚活を乗り越えて結婚生活を手に入れた女性、麻里奈さん(仮名・33歳)に話を聞いた。

◆27歳の頃、一回目の婚活では痛い目に……

 麻里奈さんの左手薬指にはキラリとシンプルな結婚指輪が光っている。今、結婚して1年ちょっと経ったところだ。しかし、結婚にたどり着くまで麻里奈さんは苦行とも言える婚活を耐え抜いてきた。彼女は婚活を始めた理由を「一人の生活に飽きた、友達も家庭に入り始めて遊ぶ時間が合わなくなったから」と語る。

 麻里奈さんの一度目の婚活は27歳のとき。マッチングアプリに登録したり合コンや街コン、婚活パーティーに通った。

「婚活パーティーは精神的にも体力的にも疲れました。『私、誰からも選ばれない』みたいな気持ちになるのが一番つらかったです。なかなか良い人に出会えず、後半はマッチングアプリに絞って婚活していました。

 でも、ヤリ目の人もいたり、ネズミ講の勧誘だったり、初デートがいきなりTDLだったり、会って数回で旅行に行きたいと言い出す人もいたり、変な人もたくさんいて痛い思いをしました。会って合わない相手と2~3時間過ごすのはかなりキツかったです。合わないからとピシャっと帰れる人ならいいけど、私はさすがにそれはできなくて……。そして、長い時間かけてようやく彼氏ができました」

 交際は順調で両親にも紹介した。一年半ほど付き合いが続いていたので、自分も両親もてっきりその彼と結婚するものだと思っていた。ところが……。

「なんと彼に結婚願望がなかったんです。結婚願望がないまま付き合っていても仕方ないと私から別れを切り出しました。親も結婚を期待していたのでしばらく別れたことを言えませんでした……」

◆婚活は就活と同じ、男性に面接されるかのよう

 そうして麻里奈さんは婚活第二期に突入する。前回の反省を踏まえ、婚活パーティーは辞めてマッチングアプリを使ったが、真剣に出会いを探している人と出会えない。そのアプリは無料のものだったので、より本気度が高い人が集まるアプリを使おうと、大手結婚相談所が運営している有料のアプリの利用を始めた。
 自己紹介欄はなるべく素の自分を出すようにした。麻里奈さんの趣味は海外旅行だが、趣味に「海外旅行」と書くと「お金がかかる女」として敬遠されがちだとのことだが、彼女はそのあたりは正直に書いたという。

「毎週土日はアプリでマッチングした人と会う日々を送り始めました。本当に就活と同じで、男の人との面接会みたいな感覚です。
 こっちが良いと思っていなくても『あなたと話してみて次も会ってもいいと思いました』とか『次のステージに進んでもらいます』みたいな上から目線の言い方をされることもあって、イラッとして『別にこっちだってそんなに良いと思ってないんだけどなぁ』みたいな感じでブロックしたこともあります。

 会うときは夜、飲みに行くことが多かったです。一度だけお昼にお茶をしたのですが昼間っから『初めまして!』というテンションに少し引いてしまって。ハタから見ても話の内容を聞かれてしまうのが嫌で『ちょっと静かにして!』と思ってしまい。そのアプリでは4人の人と実際に会い、そのうちの1人が今の夫です」

◆初めて会った日にプロポーズしたきた人も

 そのアプリはマッチングした後でないとメッセージ交換ができない仕組みになっていた。そこで、どんな人とメッセージ交換をして会ったのか聞いてみた。個人的に思うのが、男性は文字での交流になると一気にテンションがおかしくなることだ。まったく話が噛み合わずコミュニケーションが取れない人もいる。

『こんにちは』の『は』に『わ』を使っている人や、明らかに私のプロフィールを読んでいない人は避けました。例えばプロフィールに『東京で事務の仕事をしています』と書いているのに『どんな仕事をしているんですか?』と聞いてくる人とか、絵文字や顔文字を大量に使ってくる人、あと長文で自分のことしか話さない人や『俺通信』を送ってくる人。

 そういう人は私の中では『ヤバめ枠』に入れて会いませんでした。メッセージを重ねていけそうだなと思う人だけ会うようにしました。他にも、同年代なのに年収が1000万のような人は逆に怪しいと思って避けるようにしました」

 実際に会った中で強烈だったのは会ったその日にプロポーズしてきた人だという。

「とあるアラフォー男性と食事が終わった後に会計しようと財布を出したら『もう家計を一緒にするようなもんだから』と言われてドン引き。そして帰り道に『決めました、結婚してください』と言われました。
 その人はちょっと怖くなって二度目はナシにしました。男性側は女性から『いいね!』が来ること自体があまりないアプリだったので、マッチした段階でもう付き合ったも同然と思っている人もいたようです」

◆アプリで会った人と結婚へ。なぜ決心できた?

 彼女にとって第二期婚活は短期集中型だった。前回の反省点を踏まえ、闇雲にあたるのではなく、最初に相手の結婚願望を確認して婚活に挑んだ。また、メッセージの段階でちょっとでも合わないなと感じた人とはメッセージの交換をするのを辞めた。すると、2~3ヶ月で現在の夫と出会いアプリを退会した。夫を選んだ決め手はどのような点だったのだろう。

「超真面目で几帳面なところです。メッセージも話題がいくつか散りばめられていると、Aの話に対して回答し、続いてBの話に回答みたいな文章にちゃんと回答しようという気力が見られたんです。
 あと、仕事も情熱を持って取り組んでいました。さらに会う前から『結婚願望があります』と言っていたので、元彼のときのような過ちは繰り返さないと確信しました。そして、私の話もきちんと聞いてくれたので会ってみようと思いました。第一印象は無口な人だな、でした」

 3~4回会ったのち、彼の方から交際の申し込みがあった。あまり女性慣れしていないのに頑張っている感じがかえって好印象にうつり、麻里奈さんは交際を承諾した。彼は麻里奈さんより2つ年下だ。

「今までは年上の人の方が自分に合っているのかなと思っていたのですが、さっき言ったような初対面で結婚を申し込んでくるようなアラフォー男性もいたわけだし、年上でも会ってみないと分からないなと思いました。
 あと、そのアプリではなぜか28歳や29歳の少し年下の人から『いいね!』がつくことも多くて、じゃあ年下でもそんなに変わらないかなと思って年下とも会ってみたら、それがうまいこといったって感じです」

 私自身、年上の人としか付き合ったことがないので年下は恋愛対象外になっている。しかし、それはただの思いこみで合う人とはきっと合う可能性があるのだろう。

◆両親には、アプリで出会ったと伝えてない

 麻里奈さんは彼と交際して半年経った頃、ふいにプロポーズされた。それは、彼女の部屋の更新が迫っていて物件を探していた頃「一緒に住む?」というノリだった。てっきり同棲の話だと思ったら「もう結婚しよう」という流れだった。そうして結婚に至った二人。結婚生活はどのような調子なのだろうか。

「全部が全部じゃないけど、楽しいし幸せです。主に家事の分配で喧嘩もするけど、全体的に楽しい。でも、正直今まで一人暮らしでそんなに凝った料理をしてこなかったので、自分だけじゃなく人に食べさせられる料理を作るのには最初はちょっと慣れませんでした。それと、彼は物知りでニュースなんかで私が知らない単語や内容が流れると説明してくれるんです」

 麻里奈さんはマッチングアプリで出会った彼と結婚したが、どちらの両親にも出会いがマッチングアプリであることは伝えておらず「職場の人の紹介で」と濁している。昨今、マッチングアプリで出会って結婚する人も珍しくないが、やはり親世代には話しづらい空気感があるようだ。

◆孤独から逃れるための結婚

 つらい思いをしながら結婚へたどり着いた麻里奈さん。その原動力を知りたくなった。

「結婚したいという思いより、結婚しない限りはこの苦しい孤独な思いから逃れられない、誰か相手を探さなきゃという思いをしながら仕事を続けているのがつらくて、このつらさから逃れるためには結婚するしかないと思ったんです」

 孤独から逃れるための結婚。
 確かに15年一人暮らしを続けて彼氏いない歴6年目に突入した私も、孤独で眠れない夜がある。先日、ゲイバーのママに「彼氏が欲しい」と相談したところ「『欲しい』じゃなくて『作ろう』という意気でいなきゃダメよ」と言われた。

 麻里奈さんのように努力してつらい思いをした上でパートナーを作っている人もいるのだ。欲しい欲しいと言っているだけでなく行動しないとどうにもならないのだと思い知った。麻里奈さんは苦しい思いをして勝ち取った結婚だからこそ、より幸せを感じられているのかもしれない。

<取材・文/姫野桂>

【姫野桂】
フリーライター。1987年生まれ。著書に『発達障害グレーゾーン』、『私たちは生きづらさを抱えている』、『「生きづらさ」解消ライフハック』がある。Twitter:@himeno_kei

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