「赤いたぬき」に「緑のきつね」「U.F.O.味のどん兵衛」…カップ麺は“擬態”が流行中?【レビュー】

 カップ麺には多くの定番シリーズがあり、誰しもが知る味や内容物の特徴を有したものも多く存在しています。「赤いきつねと緑のたぬき」や「日清のどん兵衛」、そして「日清焼そばUFO」は長い歴史を誇るカップ麺で、その味は広く知られるところ。

 今回はそんなカップ麺の代表のような存在が、それぞれの特徴をシャッフルさせることで誕生した、“擬態”のような商品を3つご紹介します。

赤がたぬきに緑がきつねに“擬態”! 東洋水産「赤いたぬき天うどん」と「緑のきつねそば」

 まずは、東洋水産の「赤いたぬき天うどん」と「緑のきつねそば」各193円(税別)。定番商品の「赤いきつね」と「緑のたぬき」のそれぞれの特徴である、大きなお揚げと天ぷらを入れ替えた商品です。

「赤いきつね」と「緑のたぬき」の人気投票「赤緑合戦」が2018~2020年の3年連続で行われ、最初の2年は「赤いきつね」が圧勝し、その勝利記念として「赤いたぬき天そば」が発売されてきました。「赤いきつね」による「緑のたぬき」の制圧、蹂躙です。

 しかし2020年、3回目の「赤緑合戦」でついに「緑のたぬき」が勝利! 当然、「緑のたぬき」による「赤いきつね」の制圧の証として「緑のきつねそば」が登場すると思われましたが、なんと「和解記念商品」と称して「赤いたぬき」と「緑のきつね」の両方が発売されることになりました。「赤いきつね」の旗色が悪くなった途端に和解するとか、これってメーカーによる「赤いきつね」のエコ贔屓じゃないですかね?

「赤いたぬき天うどん」は、「赤いきつね」のうどんに「緑のたぬき」の天ぷらを組み合わせた商品。「赤いきつね」要素としてきざみ揚げやたまごが入っていて具だくさんな印象です。関西風の薄口醤油味ですが、ライバル「どん兵衛」ほど昆布だしを強調しておらず、魚介系のだしが前に出た味となっていました。

 小えびや野菜の入った天ぷらはかなり大きく、「緑のたぬき」に入っているものに負けないボリューム。ですが、「緑のたぬき」の天ぷらは昨年玉ねぎをたっぷり入れてリニューアルされており、今回の天ぷらは以前の「緑のたぬき」のもののようでした。

 大きな天ぷらの他には、きざみ揚げ、たまご、かまぼこといった、「赤いきつね」らしい具も入っていますが、きざみ揚げは「赤いきつね」のような甘みはなく、あまり目立っていませんでした。

「緑のきつねそば」は、「緑のたぬき」のそばに「赤いきつね」の大きなお揚げを組み合わせた商品。お揚げの他に小えび天が入っていて、「緑のたぬき」らしさも兼ね備えています。「赤いたぬき」に負けずに具だくさん。こちらは関東風の濃口醤油味で、「赤いたぬき」とは対極にある味わいでした。

 大きなお揚げの甘みは「赤いきつね」譲り。「どん兵衛」のお揚げに比べて甘みが強く、「赤いきつね」のファンはこのお揚げが好きな人が多いようです。甘みがつゆに溶け込むことで、つゆも甘濃い味になります。

「赤いきつね」要素の甘いお揚げとは別に、「緑のたぬき」らしく小えび天も結構な量が入っていて、こちらも主役級。香ばしくて存在感があり、「赤いきつね」らしさと「緑のたぬき」らしさをしっかり両立した良品と言えるでしょう。個人的には「赤いたぬき」よりも「緑のきつね」がおすすめです。

 続いては、日清食品の「日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん」193円(税別)。「どん兵衛」と「U.F.O.焼そば」の45周年を記念した限定商品です。パッケージデザインだと普通の「どん兵衛」のように見えますが……。

 この商品の真骨頂は、どん兵衛を装いながら、U.F.O.のソースを用いたソース味の焼うどんというところ。どん兵衛といえば汁なしカップ麺で焼うどんや担々うどんを発売した実績がありますが、ソース味というのは記憶がありません。果たしてこれはどん兵衛なのか、U.F.O.なのか。

 ソースは甘くて濃い「U.F.O.焼そば」味。いつもに比べるとスパイス感が弱くて甘みが強いように感じましたが、それでも「U.F.O.」らしさ100%で、「どん兵衛」要素は一切ありません。U.F.O.焼そばが好きなら確実に満足できるソース味でしょう。

 かやくの豚肉とキャベツ、そしてふりかけの青のりと紅生姜も「U.F.O.焼そば」と同じ組み合わせ。味は完全に「U.F.O.焼そば」そのものです。ふりかけに七味が入っているのがどん兵衛らしさですが、ソースの強い味の前ではあまり存在感はありませんでした。

 基本的に「どん兵衛」を名乗りつつもほぼ「U.F.O.焼そば」な味でしたが、麺は平打ちストレートの油揚げ麺のうどんでもちもち食感。数少ない「どん兵衛」要素でした。ただ、パッケージと麺以外は「U.F.O.」要素が強く、「どん兵衛」に擬態した「U.F.O.」という方がふさわしいように見えます。

 最後に紹介するのは、日清食品「日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば」193円(税別)。先ほどのどん兵衛と同時発売された、「U.H.O.焼そば」と「どん兵衛」のコラボ商品。こちらパッケージの見た目は「U.F.O.焼そば」。

「U.F.O.焼そば」と見せかけつつ、実際は「どん兵衛」のだしで作ったきつね焼そばとのこと。先ほどの「どん兵衛」は実際のところ「どん兵衛」に“擬態”した「U.F.O.焼そば」でしたが、こちらはどうでしょうか。

 かつおなど和風だしを効かせた醤油味のソースで、本家の「どん兵衛きつねうどん」ほど昆布だしは前に出てこないものの、「U.F.O.焼そば」のイメージとはかけ離れた和風味です。最近では「U.F.O.」でも和風だしを謳う商品が出ていますが、ここまで純粋な和風味は今までなかったように思います。

 また、別添マヨには七味やだしが入っており、これも「どん兵衛」感を盛り上げています。さらに、きざみ揚げやかまぼこも完全に和風で、「U.F.O.」らしさは皆無と言えるでしょう。

 麺は中太ストレートの油揚げ麺で、U.F.O.らしい部分。そのまんまいつものU.F.O.の麺です。ただ、今回の純粋な和風味のソースと合わせると新鮮というか違和感というか、同じ麺でもまったく「U.F.O.焼そば」がなく、かと言って「どん兵衛」らしさも感じない、麺とソースの不思議な組み合わせでした。さっきのどん兵衛に擬態したU.F.O.に比べると、違和感ありすぎてU.F.O.の“擬態”に失敗しているどん兵衛にも見えました。

いつもの商品の偉大さを再確認

「赤いきつね」と「緑のたぬき」、そして「どん兵衛」と「U.F.O.」の特徴をシャッフルさせた、“擬態”カップ麺をご紹介してきました。カップ麺の完成度では、お揚げと小海老天で両者の特徴を両立した「緑のきつねそば」、擬態の旨さでは、「どん兵衛」を装いつつ完全に「U.F.O.」だった「どん兵衛ソース焼うどん」が光りました。

 ただ、こういった変わり種を食べることで、ノーマルの「赤いきつね」や「緑のたぬき」、そして「どん兵衛」や「U.F.O.」を食べたくなるのも事実。やはり長年続くシリーズの偉大さを再認識することもできました。甘いお揚げはうどんで食べたいし、U.F.O.の濃いソースはU.F.O.の麺で食べてこそでしょう。

  • 5/16 15:00
  • サイゾー

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