Jリーグ初の女性主審・山下良美、広がる裾野に「夢が持てる」

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今シーズン、Jリーグ史上初めて女性の主審としてリスト入りした国際審判員の山下良美、史上最年少の14歳で京都府少年サッカー決勝の笛を吹いたU-15 3級ユース審判員の森璃久翔が、5月15日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)にゲスト出演。審判の多様化とその未来について考えた。

サッカーの審判員の階級は、4級から1級まであり、更に1級の中で、全国大会、JFL、Jリーグ、国際審判員と区分が分かれている。山下は、その最高峰にあたる国際審判員で、2019年のフランスワールドカップ(女子)や、同年のAFCカップ(男子)で主審を務め、今年の東京オリンピックにも、日本人の主審として唯一の参加が決まっている。一方の森は、小学5年生で4級審判員の資格を取得し、中学1年生で3級審判員に合格。15歳以下の3級審判員は全国で37名しかおらず、その中でも、都道府県大会の決勝で主審を務めた唯一の存在だ。

今回番組は、森が主審として参加する大会「フジパンCUP」を取材。この大会は20分ハーフの8人制サッカーで、森は4試合を担当。主審と補助審判の2人体制となっており、オフサイドも含めてジャッジしなければならない。大人に混ざって審判団の打ち合わせに参加し、ゴールネットやコーナーフラッグなどをチェック。補助審判とも打ち合わせを行うなど試合に向けて準備を進めた。いざ試合が始まると、ライン際の微妙な競り合いや際どいハンドにすぐさま反応し、危険なプレーに対してはイエローカードを提示。さらにオフサイドも的確に判断。試合後には、審判インストラクターと反省会をするなど経験を深めた。

VTRを観た番組MCの勝村政信は「堂々としている」、番組アナリストの北澤豪も「大人に見えました」と口々に語り、さらに山下も「将来有望なのは勿論ですが、今の時点で素晴らしい」と称賛を惜しまなかった。

そんな森だが、なぜ審判を目指したのか? 森は、小2でサッカーを始め、小5の時にプレー以外でサッカーに関わることはないかと考え審判員の道へ。チームの指導者が審判をしている姿をみて「カッコイイ」と思ったことにも影響を受けたという。現在は中学校のサッカー部に所属しているが、練習試合で副審をするなど、審判としてのスキルを磨くためだと語る。

続いて、2人の審判グッズを紹介。まず森が、ネットで購入したというDVD「サッカー 審判 ~ピッチ上の、もう一つのチーム」を披露。これには1級審判やVARの研修会、試合中のインカムのやりとりなどが収録されており「勉強になる」と言い、第一線で活躍する山下を「そんなものが存在したのですね(笑)」と驚かせていた。そのほかホイッスルやレフェリーウォッチを披露。さらに山下が、2019年の女子ワールドカップに参加した際に、審判団を組んだ手代木直美、坊薗真琴、萩尾麻衣子と4人で記念に作成したトスコインを披露。これを見た森は「僕も欲しいです」と目を輝かせていた。

さらに森から山下に「審判をしていて辛い事、やっていて良かった事はありますか?」と質問。山下は「辛いことは、孤独なこと。試合中は審判団や仲間がいるが、トレーニングや勉強は一人で黙々とやらなくてはならない。ただ、それを超える楽しい面が本当にたくさんある。森君は気づいてくれていると思うけれど、サッカーのピッチに立てることの幸せは大きい」と伝えていた。

そのほか、サッカーに大きな変化をもたらしているVARの賛否を尋ねられると、山下は「スタジアムだけでなく映像でも楽しむ方がたくさんいる中で、審判だけが知らない大きなミスで人生が変わってしまうこともある。それをもう一度観られるチャンスがあるVARはとても良いと思います」と語った。一方で、森は「観ている側からしたら賛成なのですが、やる側になったら反対かもしれない」と素直な思いを明かし、「判定は正しくなると思うけど、自分の判定が間違っていることに気づいてしまうので、それが現場の人みんなに伝わってしまうのは反対」と意見を伝えた。

最後に、海外ではチャンピオンズリーグの主審を女性が務めるなど、多様化が進みつつあるが、まだまだ女性審判の割合は少ない。この現状について山下は「昔から男性のスポーツという意識があり、女性は少ないですが、十分に対応できると思います。少しでも注目してくださることで女性審判員や、森君のような若い審判員が増えていくと良いですね。WEリーグが始まってWEリーガーになるという夢が持てるように、Jリーグで笛が吹けるという夢が持てる。そんな風に思ってもらえたら」と話し、森も「国際審判になって、ワールドカップの舞台で笛を吹きたい」と抱負を語っていた。

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  • 5/16 7:00
  • テレビドガッチ

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