夏前の今の時期にぴったりなワインとは?グラスを片手にテラスに飛び出したくなる!

美味しいワインをおうちで嗜む時間は、この上なく至福だ。

だからこそ、ワイン選びには妥協したくない。

そんな大人に知ってほしい極上の1本を、ワインの達人がピックアップ。

きっと、あなたのおうち時間の充実度も変わるはずだ!

シラーズよりも今、注目はグルナッシュ


柳「おや、クラリン(編集担当の嵩倉)。テニスラケットなんか持ってどうしたの?」

――あっ、柳さん。2月に、大坂なおみが全豪オープンで2度目の優勝を果たしたじゃないですか。それで、この春からテニスに挑戦してみようかと。

柳「ほう、これまでの経験は?」

――私、卓球なら誰にも負けない自信があるんですけど、テニスはからっきしなんですよ。

柳「おやま。」

――それはともかく、全豪オープンつながりで、今回のお題はオーストラリア。オージーワインといったらシラーズですよね?

柳「さすがこのページの編集担当、よく知ってるね。一般的な品種名でいうところのシラー。オーストラリア最高峰の「グランジ」をはじめ、この国を代表する品種であることは間違いない。

けれど、今僕が注目しているのは、マクラーレン・ヴェイルのグルナッシュだな。」

――ほぉ、そりゃまたどうして?

柳「1838年に初めてブドウが植えられたマクラーレン・ヴェイルはオーストラリアでも有数のワイン産地だけど、すぐ北に位置するバロッサ・ヴァレーの陰に隠れて、いまひとつパッとしない。」

――私もバロッサ・ヴァレーは知ってますけど、マクラーレン・ヴェイルは初耳です。

柳「ここもシラーズからなかなか良いワインができる土地なんだが、海寄りのマクラーレン・ヴェイルは、内陸のバロッサとは気候条件が違うんだな。」

大坂なおみのごとき、力強さとしなやかさのあるワイン

ブッシュヴァインとは、枝をワイヤーに張らず、株のように仕立てた栽培法。機械が使えず手間がかかる一方、収穫量が抑えられて凝縮したブドウが実る


――なんだか難しい話になってきましたね。

柳「結論から言うと、マクラーレン・ヴェイルはシラーズよりもグルナッシュの方が向いている。この品種はもともとスペイン生まれで、地中海沿岸の各地に広がった。

例えば、フランスのローヌ地方でも内陸にある北のコート・ロティやエルミタージュはシラー、地中海に近い南のジゴンダスやシャトーヌフ・デュ・パプはグルナッシュが花形品種だ。」

――なるほど、それで海沿いのマクラーレン・ヴェイルはグルナッシュの銘醸地というわけですね。

柳「それにマクラーレン・ヴェイルにはまだ古木が残っていて、それが良い仕事をしてくれる。ピラミマの「オールド ブッシュ ヴァイングルナッシュ」は若くても樹齢50年、古いのは80年近い。

グルナッシュは下手に育てるとただアルコールばかり強くて、中身はへろへろなワインになりかねないけど、力強さとしなやかさを兼ね備えたこのワインは、まさにグルナッシュの大坂なおみだ。」

肉を頬張って、豪快にワインで流し込みたい!

豪州は、ビーフはもちろんラム肉も美味。このワインの豊かな果実味とハーブやスパイスのニュアンスは、ジンギスカンにぴったり。夏前にスタミナをつけよう!


―― おお!で、何と一緒に楽しめば?

柳「ずばり、ジンギスカン。ハーブやスパイスの風味がぴったし。」

――このワインを飲めば、テニスが上達しそうな気がしてきました。

柳「クラリン、単純すぎる……。」

「PIRRAMIMMA OLD BUSH VINE GRENACHE(ピラミマ オールド ブッシュ ヴァイン グルナッシュ)」


ピラミマは1892年創立の老舗ワイナリー。アメリカンオークの樽で3年熟成させたこのワインは、メロウな味わい。〈3,740円/ヴァイ・アンド・カンパニー TEL:03-3779-2123〉

編集部員・嵩倉が飲んでみた!


今月のワインが届いた日は、初夏のようないい陽気。思わずグラス片手にテラスに飛び出しました!

ひと口飲めば、ベリーを頬張ったようなジューシーさ。太陽の恵みを存分に感じ、力みなぎる一杯でした。

教えてくれたのは ワインジャーナリスト 柳 忠之氏


世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、親身になって答えるワインの達人。

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