元気な9つ子誕生で世界記録なるか 専門家は「命の危険もあった」(マリ)

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マリ、トンブクトゥ在住のハリマ・シセさん(Halima Cisse、25)が今月4日、モロッコの最大都市カサブランカのクリニックで9つ子を出産した。帝王切開により誕生したのは男児4人、女児5人で、出産前の超音波検査では胎児は7人とみられていた。

ハリマさんは当初、マリの首都バマコの病院に入院していた。しかし医師らは「ハリマさんには特別なケアが必要である」と判断し、3月20日に設備が整ったカサブランカのプライベートクリニック「アイン・ボルハ(Ain Borja)」に転院した。これはマリの暫定大統領バ・ヌダウ氏(Bah Ndaw)の指示によるものだった。

同クリニックのユセフ・アラウィー理事(Youssef Alaoui)は、モロッコのテレビ局に「マリの医師からハリマさんのケースについて連絡があったのは約1か月半前のことでした」と明かし、出産については次のように語った。

「ハリマさんは妊娠30週での早産となりました。分娩中はかなりの出血があり、輸血が必要でした。私が知る限りではハリマさんは不妊治療はしていないようですが、マリ保健省からの情報はありません。」

一方でマリの保健相ファンタ・シビー氏(Fanta Siby)は「ハリマさんの容体は安定しており、子供たちも健康です」と述べており、親子が数週間以内に帰国できるとしている。

しかしながらイギリスのキングス・カレッジ・ロンドンで生殖医療を教えるヤコブ・ハラーフ教授(Yacoub Khalaf)は、多胎児の妊娠・出産について次のように話す。

「9つ子を不妊治療なしで授かるということはまずあり得ない話でしょう。多胎児の妊娠・出産は非常に危険で、母親は子宮や命を失う可能性もありました。また生まれた赤ちゃんが肉体的、精神的なハンディキャップを背負ったり、脳性麻痺を起こす可能性も非常に高いのです。超低出生体重児を一度に何人も出産することのリスクやコスト、そして不妊治療を監視していくことについて世界的に認識を高めていく必要があるのではないでしょうか。」

なお9つ子の誕生は非常に珍しい。記録に残されているのは1971年6月13日に豪シドニーで誕生した9つ子で、2人が死産、7人は最初の1週間で亡くなった。また1999年3月26日にマレーシアで誕生した男児5人、女児4人は、全員が6時間以内に息を引き取っている。ハリマさんの9人の子供たちがこのまま順調に成長すれば、世界記録達成も夢ではないことになる。

ちなみに2009年1月26日には、米カリフォルニア州のナディア・スールマンさんが体外受精による妊娠で男児6人、女児2人の8つ子を出産して話題となった。ナディアさんの8つ子は、全員が生後1日以上生存した世界で2番目の例としてギネス世界記録に認定されており、こちらは12歳になった。また最初の世界記録を作った8つ子は、1998年12月に米テキサス州で誕生しており、生後1週間で女児1人が死亡した。

画像は『New York Post 2021年5月5日付「Malian woman Halima Cisse expecting 7 babies gives birth to 9」(Facebook)』『The Sun 2021年5月6日付「MOTHER OF GOD! Pregnant woman gives birth to NINE babies after only expecting seven when medics missed two on scan」(Credit: Groupe Akdital)(Credit: Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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