コロナで職を失った女性23歳が流れた性風俗業。月収260万円も保証なし

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 新型コロナ発生から1年、コロナで職を失った女性が性サービスに流れる例が後を絶たない。そんななか取材班が出会ったのは、現在風俗で働くシングルマザーの女性。彼女はどのような思いで風俗嬢という仕事を選んだのだろうか? 詳しい話を聞いた。

◆生活のためシングルマザーが選択した「風俗嬢」という仕事

 シングルマザーの遠藤萌実さん(仮名・23歳)は、昨年10月まで、大手小売りの正社員だった。店舗の店長として、約5年間働いたが、一方的に解雇を言い渡された。

「コロナの影響で私の勤めていた店舗は客が増えて、とても忙しかったです。なのに、会社は経営不振を理由に残業手当をカット。月収は30万円から23万円になりました。それで何回も上に申し立てをしたら、クビですよ。

 解雇後、接客業の求人に応募しましたが、再就職は難しい。緊急事態宣言が発令され面接もナシになりました」

◆店の看板にまで上り詰めた

 働く意思はあるのに仕事がない。会社から必要な書類が送られず、失業保険も下りない。両親とは仲が悪く実家に頼るという選択肢もない。八方塞がりの彼女が選んだのが風俗という仕事だった。

「切羽詰まっていたため、風俗で働くことに抵抗はありませんでした。今年2月に歌舞伎町のホテヘルで働きましたが、思ったより稼げなくて、山梨のデリヘルへ出稼ぎに行くことに。そこでは、5日間で36万円の稼ぎ。私の地元も山梨なのですが、東京から来ましたって高嶺の花感を出しました」

 今年2月から同じ店で定期的に働き、3月はナンバーワン。月収は驚きの260万円だ。彼女は今や店の看板にまで上り詰めたが、「保証のない風俗業が誰しも稼げる仕事だとは思わないです」と冷静に言う。それでも、稼げるうちは今の仕事を続けていくつもりだ。

◆コロナで職を失った女性が流れるワケ

 社会福祉士の藤田孝典氏は、コロナ解雇で女性の貧困問題がより深刻化していると指摘する。

「コロナ解雇の第一波で切られてしまった人の多くは、もともと賃金の低いサービス業従事者や、非正規雇用者でした。日本の女性の雇用システムは、“夫に経済的に依存すること”が前提となっているため、解雇リスクの高いこれらの仕事の多くは女性が担っています。結果、頼る術を持たない女性は、解雇後困窮しやすいのです」

 シングルマザーや、実家に頼れず貯蓄もない女性は、今日明日の生活のために日払いの仕事を探す。だが、女性が即日稼げる仕事は水商売ぐらいしかない。

「ただし、風俗が女性のセーフティネットになっているとは言い切れません。私のツイッターのDMには一日に多いと100件近い相談がきますが、その3~4割が性労働者です。それだけ不安定な仕事なんです」

◆生活保護に対するハードルも下がっている

 ただ、やむを得ず風俗を選択する女性もいる一方、コロナ前より生活保護に対するハードルも下がっていると藤田氏は言う。

「コロナ禍でこれだけ状況が厳しいのだから、もう生活保護しかない、とすんなり受給に踏み切る人が増えた印象です」

 本来のセーフティネットである社会福祉士制度が気軽に利用できるようになれば、良い変化といえるのではないだろうか。

【社会福祉士・NPOほっとプラス理事・藤田孝典氏】
生存のためのコロナ対策ネット共同代表。ソーシャルワーカーとして現場で活動する一方、生活困窮者支援のあり方に提言を行う

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[コロナ解雇、その後]―


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  • 日刊SPA!

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