尾野真千子、4年ぶりの主演作で母親の気持ちを理解「母になったことはないですけど」

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女優の尾野真千子が27日、都内で行われた映画『茜色に焼かれる』(5月21日公開)の完成報告会に、共演の和田庵、片山友希、オダギリジョー、永瀬正敏、メガホンをとった石井裕也監督とともに出席した。


この世界には、誰のためにあるのかわからないルールと、悪い冗談みたいなことばかりがあふれている。まさに弱者ほど生きにくいこの現代に翻弄されながらも、正面から立ち向かう一組の母子がいた。この生きにくい世の中で、もがきながらも懸命に生きる親子、不器用ながらも己の信念に従って生きる主人公・田中良子(尾野)の姿が、観る者の胸に深く突き刺さる感動作となっている本作。


良子の勝負カラーでもある赤い衣装で登場した尾野は、約4年ぶりの主演作となった本作への出演を決めた決め手を尋ねられると「台本を読んで、“自分が伝えなきゃ”って思うことがたくさん詰まっていたからです」と明かし、どのような気持ちで良子という役を演じていたか問われると「精神的につらいときもありましたけど、そうやって自分の気持ちが変化していっているのはすごく楽しいなと思いました」とニッコリ。


加えて、現場ではどういう心持ちでいたか追求されると「あまり主役ということを気にせずやろうと思って、こんなとき(コロナ禍)だからいっぱい気をつけなきゃいけないことがある中で、距離が遠くてもニコニコしていれば、楽しくやっていれば、きっといいものになると思うし、もどかしい気持ちが少しでも晴れるんじゃないか、そんなことを思いながら、あとはただ“良子を伝えたい”と思っていました」と当時の心境を明かした。


また、良子の女性像について聞かれると「本当に大変(笑)。大変というひと言しかないんですけど、でもちょっとずつこの作品を撮り進めていくたびに、良子の大変さが納得できてくるんですよね。台本だけとか、あらすじだけだと、“どうしてそんな仕事をするの?”とか、“どうしてそんなことができるの?”って思うかもしれないんですけど、母ってそうなんです。母ってこんなに一生懸命なんです」と熱く語り、「母になったことはないですけど、母になった気分になってくるし、母の気持ちが少しでもわかることができたのかなと思いました」と吐露した。


そんな尾野が演じる良子の息子・田中純平役を演じた和田は、尾野と共演しての感想を求められると「お会いする前は、勝手なイメージなんですけど怖い人だなと思っていて」と告白して会場の笑いを誘い、「改めてご挨拶したときに、緊張していたんですけど、実際はそんなことなくて、優しくて、すごく明るくて、面白い人だなと思いました。本当の親子のように接してくださって、久しぶりの現場で緊張していたんですけど、自然に演技ができた理由はそれかなと思いました」と感謝。そんな和田を、尾野は母のような眼差しで見守っていた。


さらに、良子の亡き夫・田中陽一役を演じたオダギリは、夫婦役にも関わらず、尾野との共演シーンはなかったそうで「今回は一緒のシーンがなかったんですけど、なんとなく10年以上前から共演していて、大げさに言うと同期というか、同じ時代を歩んできた仲間のような気もするんですね」といい、「今回の尾野真千子さんは大変素晴らしかったですね。今までの尾野さんの作品は全部見ましたけど、その中でこれが1番ですね」と大絶賛。


続けて、オダギリは「こういうことは本人には言わなかったですけど、(記事に)書いてほしいので」と願望を吐露して笑わせ、「1つウソを申し上げたのは、尾野さんの作品を全部見たというのはウソです」と白状して報道陣を大爆笑させた。それでもオダギリは「でも、この作品は(尾野出演作の中で)ダントツでしょうね。見ていて自分の母親のことを思ったりしたんですけど、母親のことって全然知らないじゃないですか。母親の青春とか恋愛とか全然聞いてこなかったなと思って、ただこの作品の尾野さんの役を見ていると、自分の母親もああやって一生懸命生きて、人生を謳歌したのかなと思って少し安心したりして、そういう気持ちを感じさせてくれたのも尾野さんのおかげだと思います」と褒め続けた。


しかしオダギリは、事前に尾野から『悪いことも言ってほしい』とお願いされていたそうで「1つ申し上げますと、どうしても眉間にシワが寄るクセがありまして、眉毛がちょっと低めに流れるんですね。それがマスクをしているとより目立っちゃうんですけど、そのクセが1つ気になっているかな」と打ち明け、「ただ、この作品においては、それが戦う表情に見えるので、この作品に関してはありかな」と語った。


そんなオダギリの絶賛を受けた尾野「先輩だと思っていたんですけど(笑)、近い存在には感じてしまっています。ちょっとした眉間のシワとか、そんなんでも嬉しいですね。そうやって言ってくれる人はいないです。ありがたいことに褒めるしかしないので、そう言ってくれるといいですね」と笑顔を見せた。


そして、最後に尾野は「この映画を撮る前に監督に『命がけで頑張ります』って言いました。それは今のコロナとかで“もう私は仕事ができないんじゃないか”とか、いろんなことを考えているところにこの台本が飛び込んできて、“ここで止まっていたらあかんやん”って自分の背中を押してくれた作品でした。それだけ自分にとって大切で、田中良子や出演者の気持ちを伝えたいと思った作品です」とアピールし、「みんなで力を合わせて、もがいて頑張って、ジタバタしながら撮りました。自分にとって最高の映画だと思っています。ぜひ、映画館で見られるようになってほしい。そういう気持ちです。どうぞ、よろしくお願いします」と思いを込めた。

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  • 4/27 22:30
  • dwango.jp news

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