価値観の違いで辞めた新入社員。インスタ映えランチにウンザリ

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 4月から入社してきた新入社員たちは今頃、研修を頑張っているのだろうか。しかしながら、価値観の違いなどから、すぐに辞めるという決断をくだす新入社員もいる。新卒で入った会社では“丸の内OL”だった綾子さん(25歳・仮名)は「周りの人との金銭感覚が合わなくて辞めました」と話す。

◆キラキラした生活に憧れて“丸の内OL“に

 彼女は、22歳の時に新卒で大手町の企業に就職。いわゆる丸の内OLだった。

「地元が群馬で大学進学で上京したんで、とにかくミーハーでした(笑)。業種なんて何でもいいから、“丸の内OL”になりたかったんです」

 丸の内にある会社を片っ端から受けて、見事内定を勝ち取った綾子さん。実際に、憧れだった丸の内OLはどうだったんだろうか?

「楽しいのは本当1週間ぐらいでした。学生時代は、渋谷・新宿・池袋でしか遊ばなかったから、毎日丸の内を闊歩してるだけで東京のOL界のトップにいるような気すらしてました」

◆毎日インスタ映えランチ。価値観の違いに辟易

 だが、楽しい期間は短かった。同期や先輩と仲が良くなるにつれて、だんだん周りと自分の考え方にギャップを感じてきた。

「例えばランチ。もう毎日毎日、新しいところに行くんです。それも、いかにもインスタ映えしそうなオシャレで高い店ばかり。1食安くて1000円、高いと1980円。今まで、休日や何か良いことでもなければそんな値段のランチは食べなかったから、内心『いい加減にしてくれ』と思ってました」

 ランチだけではなく、仕事終わりの飲み会や休日の付き合いもしんどかったと綾子さんは言う。

「飲み会は居酒屋じゃなくて、基本的にオシャレなバーとか高めのバル。1回あたり割り勘でも安くて5000円はしました。写真に撮るぶんにはいい感じなんだけど、量は少ないし、味は薄いし、高いだけで食べた気がしなかったです。先輩が開く合コンは奢りだけど、無駄に横文字を使うバカボンボンみたいなのばかりだったから『これなら、キャバクラでバイトしたい』と内心思ってました」

 断ればいいのかもしれないが、女の世界は難しい。変に断ってしまうと仕事に支障をきたす可能性すらある。

「それが怖くてずっとイエスマンでいました。“先行投資”とか“必要経費”とか、自分を納得させて……」

◆私物の品評会にウンザリ

 毎日のロッカールームでも、「生きた心地はしなかった」と綾子さんは振り返る。

「制服に着替えるときに、みんな誰が何を着ているかのチェックがすごいんです。どこのブランドの新作でいくらだとか、限定品のバックだとか。しかも下着に至るまで(苦笑)。

 私は、バッグだけはブランドものでしたが服や下着はプチプラのものばかり。値段発表会のときは、いつも『え~、可愛いのにそんなに安いの~?』『私も真似っ子しようかな~』と同期や先輩は言うんですが、明らかに好奇の目で見てるというか、バカにしてる感じでした」

 彼女の初任給は手取り21万円。初任給にしては良い方だが、実家暮らしでもない限り、そこまで自由にできるお金はないハズだ。

「そうなんです! 私は家賃が8万9000円で、光熱費と携帯代が合わせて2万前後。そこから、毎日のランチが最低1000円の、飲み会が週2で1万円は飛んでいく。さらにみんなが着ているブランドもののワンピースは平均2万円。

 正直、この感覚に合わせていたら、それこそ週末にキャバクラとかでバイトでもしないとやっていけない。貯金が多少あったから、まぁしばらくはやっていけるだろうと思いましたが、いつか必ず底をつくだろうな、と簡単に予想がつきました」

◆薄給なのに周囲はどうやって?

 周りに合わせ続けながらも、日に日に増していく違和感。悩んだ結果、綾子さんは入社3か月で退職を決意した。

「我ながら馬鹿げていますが(笑)。仕事自体もすごくやりたいことっていうよりも、ただ丸の内の会社だったから良かったというだけ。毎日の映えるランチも、お高い飲み会も苦痛でしかなかった。かといって断れる性格でもなかったんで、このままこの環境に身を置いていたら、自分がおかしくなるなって思ったんです」

「家庭の都合で急に実家に戻らなければならない」という理由で退職した彼女は、その後あれだけ毎日つるんでいた同期や先輩とは連絡すら取っていないという。

「インスタ上だけの付き合いだったってことですね(笑)。しかし、実家の子もいたけど、なんでみんなあんなにお金があったんだろう? 単純計算で月30万円あっても全然足りない使い方でしたからね。パパ活とかしてたのかな~」

 丸の内OLを辞めてからは、フリーターを経て、現在はデザイン会社に勤めている。

「色んなアルバイトをして、デザインの仕事に興味を持ったんです。それで、今に至ります。我慢して丸の内OLをしていたら、今よりも年収は高かっただろうし、高スペックな男子を捕まえられたかもしれません。でも、その前にカードローン地獄に陥っていたかもしれない(笑)」

 早めの判断が功を奏したようだ。

<取材・文/吉沢さりぃ>

―[モンスター新入社員録]―

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。近著に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)がある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。Twitter:@sally_y0720

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