食は“自分との約束”と語る森七菜が大分から越県して食べていた宮崎辛麺は東京でも食べられる!

拡大画像を見る

第67回 辛麺 華火

■辛いラーメンの中のコクの深さを感じ取る森七菜

 アイドルだってメシを食う。もはや「アイドル・ウィズ・ラーメン」まっしぐら。なにせ、まん延防止等重点措置にとっても、「換気バッチリのラーメン店は優等生」と、先だって取材をした感染学の権威、国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルス疾患研究室長の西村秀一先生もお墨付きを与えておられる。

 そして、今回切るカードはいよいよ、並みいるラーメンマニアの中でも最も旬を迎えた女優。昨年10月開始の『この恋あたためますか』(TBS系)で連続ドラマ初主演を果たし、CMにも出ずっぱりの森七菜だ。

 大分県出身の七菜は当然ながら、九州豚骨に始まる、こってり系ラーメンが大好き。本人のブログでも店名こそ明らかにしないが、度々ラーメン店でのショットを公開している。

 バラエティ番組に出演する際も、よくラーメン談義を披露。以前にも紹介した、朝日新聞「マリオン欄」内の連載シリーズ、『おんなのイケ麺』にも登場し、新宿歌舞伎町の「辛麺 華火」を紹介している(19年7月18日掲載)。

 同店は宮崎発祥の辛麺の元祖「桝元宮崎本店」で修業を積んだ店主が経営。大分はしょっぱくて独特なジャンク感のある佐伯ラーメンでも知られるが、全般にはマイルドな豚骨系。七菜は県境を超え、宮崎辛麺のインパクトに惹かれたようだ。上記記事でも曰く、「辛いものは無限に食べられるんです」とのこと。

「汗をかきながらフウフウ言って食べるのがいいなって。(略)家族と一緒に小学生の頃から1時間くらいかけてでも食べに行っていました。東京でお仕事をするようになってからも辛麺が食べたくて。都内の辛麺屋さんを探しては行きました。ここは、よく食べに行っていた宮崎のお店で修行していた方が出したお店。だから、味が近くて地元を思い出します」

 森七菜がいっぱしのラーメン喰いだと認定できるのは、同店の味に対する以下の表現だ。辛いラーメンはいくらでもあるが、

「決め手はスープのコクの深さ。辛くなくてもきっとおいしいだろうなって。中辛はスープのおいしさが感じられるほどほどの辛さなんです。レンゲの上にスープと麺と具を載せて、ちっちゃい辛麺をつくって一口でカプッと食べると、もう満たされます」

 わかるなぁ、この感想。かつて「なにも足さない。なにも引かない。」というウイスキーの広告コピーがあったが、ラーメンの本質もまさにその通り。

 某蒙古タンメンが拡大するにつれ、スープの底力が抜けた気がして、あまり通わなくなった。激辛とか背油でごまかされちゃいけない。ラーメンでもなんでも出汁が命。そして、辛さや油の下に潜む旨さを感じられなければ、それら特殊なトッピングの価値も薄れるのだ。

 このコラムを掲載時に読んだ際、違いのわかる女、七菜はアイドル期を経て、瞬く間に本格的女優の道へと突き進むだろうと確信した。昨年公開された、岩井俊二監督の映画『ラストレター』でしか、彼女の演技にも接していないが、その透明感たるや半端なかった。一人二役で実質主演の広瀬すずと従姉同士という胸キュン設定なのだが、ぶっちゃけ広瀬を上回る魅力を放っていた。

■食事は“自分との約束”

 七菜はさる4月12日放送のラジオ番組、『SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM)に出演。「好きなものを3つ答えて」という質問に、七菜は真っ先に「食」と答えた。

「本当に元気になりますね、ご飯というのは。なんかこう、誰かと一緒に食べても美味しいし、自分だけの約束としても身軽に楽しめるものだから、食は完全に自分の中の幸せの頼りにしてますね」

 “自分だけの約束”とは上手いことを言う。コロナ禍で孤食が増えた。シングルのぼくなど週に一、二度しか人と食卓を囲まない。長引く緊急事態宣言に次ぐ、マンボーでますます夜間の食事の機会を奪われた。

 今宵はなにを食べようという、自分への約束とはすなわち、自炊メニューを考えることにつながる。いい加減食傷してきたので、ラーメンでもサクッと手繰って済ませたい。が、一杯飲って〆という夜鳴きそばの時間には、ラーメン屋も眠りについてしまう。

 さて、『SCHOOL OF LOCK!』で3つ目に好きと答えたのは「お洋服」で、これは女優としては当然のこと。しかし、2つ目の回答は「寝ること」で、人間の三大欲求、いわば生理的欲求通りの順番なのに、妙に感心してしまう(普通は食欲・睡眠欲・性欲の順だが、誰もが三番目の話は大っぴらにしない)。七菜曰く…

「ヤバいな、これ。あの……食っちゃ寝ですよね。食って寝てみたいなことになってますけど。やっぱり悲しいことや辛いことがあったりしたら寝て、起きた時にはすぐ忘れていますね。いつの間にか『あれ何で泣いてたんだっけ?』って思うから。すぐ寝ます」

 ……とのこと。そういえば、激辛とか激甘など、激越な食物を摂取すると、確かに気分の切り替えがすんなりできる。いろんな役に挑んでは、素の自分に還らなければならない女優・森七菜にとっては、激辛もリセットの手段なのかもしれない。

(取材・文=鈴木隆祐)

関連リンク

  • 4/24 10:00
  • 日刊大衆

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます