「ユニクロの定番コラボ」業界関係者も実は買っている傑作アイテム3選

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―[メンズファッションバイヤーMB]―

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第326回目をよろしくお願いします。

◆進化を続ける「ユニクロのコラボ」

 ここ数年、よく耳にするようになりました「ユニクロのコラボ品」。ジルサンダーがどうだとか、ルメールがどうだとか、アンダーソンがどうだとか、イネスがどうだとか……呪文のようにしか聞こえないコラボ相手ばかり。お前らどこの誰やねんと。

 そこで、今回は業界関係者も注目しているユニクロコラボについておさらいです。

 毎年、欠かさず展開しているコラボを紹介。「何が得意で、どんなアイテムを買うべきなのか」などをお教えします。

◆★テーラードアイテムやシャツなら+J

 まずは「+J」。

 2009年秋冬に初お披露目となったユニクロとジルサンダーのコラボレーション。無論「ジルサンダー」とはFFの魔法ではありません。人名であり、ブランド名です。

 シンプル/ミニマルなデザイン志向が特徴で、現在でもファッショントレンドを牽引する世界屈指のブランド。

 混同しがちですが、ユニクロとコラボしているのはブランド「ジルサンダー」ではなく、創業者である「ジル・サンダー」本人。なので、コラボに現在のブランド「ジルサンダー」はまったく関係ありません。

 おそらくですが、現在のブランド「ジルサンダー」はこのユニクロとの協業を疎ましく思っているんじゃないかな。「ジルサンダー」はシャツ1枚10万円するようなブランドですが、ユニクロと創業者である「ジル・サンダー」とのコラボでは3000円でほどでシャツが購入可能ですからね。

 ブランド側としては「勘弁してくれよ……」と思ってるでしょう。そのあたりのクレーム対策からか、報道される際やプレスリリース時などには「ジル・サンダーとのコラボレーション」などとジルとサンダーの間に点がつけられブランド「ジルサンダー」じゃないことを静かに主張しています。

 本来であれば、ブランド名の使用権利はブランド側に帰属しているわけですが、ジル・サンダーは本名ですからね(笑)。

 このへんが混同されがちですが、ユニクロ側としては「ブランド『ジルサンダー』とのコラボ」と誤解されてラッキーでしょう。何しろ今1、2を争うくらいの人気ブランドですから。

◆ドレスウェアで真価を発揮

 さて、そんなジル・サンダーとのコラボレーションラインである「+J」ですが、大人気のうちに一度終了。昨年からリニューアル、2020年秋冬からリスタートしています。

 得意アイテムはシャツやテーラードなどドレスライクなアイテム。もともとジル・サンダー氏はテーラードジャケットやスラックス、シャツなどのシンプルなドレスウェアを構築的に作るのが得意なデザイナー。ユニクロとのコラボでそれは存分に発揮されています。

 特にユニクロは近年、シャツ素材が洗練されています。

 美しいスーピマ綿を使った光沢あるシャツなどを展開しており、ブランド品としても通用するくらいのクオリティ。

 そこに伝説的デザイナーであるジル・サンダーが協業して人気が出ないわけがない。

◆昨年は転売市場が大盛り上がり

 昨年、2020年秋冬ではドレスライクなロングコートが1万円台で出されていたのですが、メルカリで10万円以上で取引されるなどプチバブル状態。メルカリとユニクロが転売防止協定を結び、ニュースになるほど社会現象になりました。

 +Jは逆にスウェットやブルゾンなどカジュアルアイテムはさほど人気が高くなく、やはりジルは「テーラード」や「シャツ」などが評価が高いようです。

 現在でもシャツは在庫があり、購入可能。ぜひ美しいジル・サンダーのパターンと、ユニクロの卓越した上質素材を試してみてください。

▼オススメアイテム
・スーピマコットンレギュラーフィットシャツ(長袖) 3990円

◆★ニット類やカジュアルウェアなら「ユニクロU」

 続いて「ユニクロU」。

 エルメスのディレクションを務めた偉大なデザイナー「クリストフ・ルメール」との協業ラインがこちらです。すでに定番ラインとして毎年、展開されており、コラボというより「ユニクロの既存ライン」に近いような扱いにもなってきました。

 ルメールとの協業がこれほど上手くいった理由としては、おそらくユニクロと服作りのコンセプトがマッチしているからだと思われます。

◆「+J」と「ユニクロU」の違い

 上述の「+J」も確かに大ヒットは飛ばしていますが、長く協業しコレクションを定番展開するまでには至っていません。

 その理由としてはジル・サンダーの得意デザインである「テーラード」を表現するほどの背景がユニクロにはないからかと。

 ユニクロが展開するアイテムは基本的にカジュアルなものが多く、テーラードジャケットなどはほとんどすべて芯がなく、肩パッドがない「イージースーツ」です。

 職人技術が求められるジル・サンダーのデザインに根本的にはマッチしていないのではと思います。

◆「ユニクロU」はナチュラル系に強み

 しかし、ルメールはエルメス時代から長らくカジュアル志向のデザイナーです。ニットやチノパン、厚手のコットンなどのナチュラルなアイテム作りが得意。しかも、ルメールは「トレンドに左右されないパーマネントな服作り」を自身のブランドで追求しています。

 ジル・サンダーのようなトレンドを意識したモノ作りではなく、ルメールはシンプルで長く使い続けることのできる癖のない服を求めており、ユニクロの「LifeWear」という哲学にもフィットしたのではないでしょうか。

 そんなわけでユニクロUで狙うべきはニット類がおすすめです。何年も協業しているだけにかなりモノ作りがこなれていて、コートもシャツもデニムもおすすめできるのですが……特に毎回ハズレがないのはニットでしょう。

◆無縫製の「3Dニット」も展開

 これまでユニクロUとして発売したニットの中で「大ハズレ」はありませんでした。「アタリ」か「大アタリ」しかない。

 風合い豊かな素材感と、ルメールが得意とするヨーロッパ風の美しい中間色の表現はユナイテッドアローズで1万円以上で売られていても違和感がないほどのものが多い。

 最近では無縫製で1本の糸から作られる「3Dニット」をユニクロUラインの中で展開。ニットを買うならこのユニクロUがイチオシです。

▼オススメアイテム
・3Dクルーネックセーター(長袖)1990円

◆★ワークアイテムや小物なら「JWアンダーソン」

 最後は「JWアンダーソン」。

 スペインのレザーブランド「LOEWE/ロエベ」のデザインを手掛け、瞬く間に同ブランドを世界的な存在に仕立て上げた人物がユニクロのコラボ相手「ジョナサン・アンダーソン」。

 英国出身でテーラードスタイルなどの基本的素養を備えながらも、革新的で奇抜なデザインが得意な人物。さすが保守と革新、スーツとパンクスを併せ持つイギリス出身らしいですね。

◆ユニクロらしからぬ奇抜さ

 先述の2つのコラボと異なり、JWアンダーソンコラボはユニクロらしからぬ奇抜なデザインが特徴。

 切り替えやドッキング、オーバーサイズなど遊びに遊んだデザインが特徴で、やりすぎるとセールにかかることもしばしば。

 ここ数回のコレクションではデザインをほどほどに抑えたシンプルなものが増えてきており、「ようやくユニクロのモノ作りに馴染んできたのかな?」という印象です。

 JWアンダーソンはワーク系のアイテムが狙い目。

◆特徴的なワークディティール

 デニムやチノなどはトリプルステッチなどの本格的なワークディティールを入れ込み、ユニクロらしからぬ風格を出しています。

 ただし、アメリカンなワークウェアではなくイギリス人デザイナーらしい品のいいものが多い。

 ユニクロの既存ラインではアメリカンな印象のアイテムが多いですが、アンダーソンコラボでは品のいいやや細身だったり、トーンを抑えた色使いだったりとワークウェアでも大人な印象のものが目立ちます。そのあたりが狙い目かな。

◆ひと癖ある小物も魅力

 ただ、小物も毎度面白い提案をしており、たとえばソックスなども切り替えの多い特殊なデザイン、バッグ類なども面白い提案が多く、見逃せない。

 +JやユニクロUでは小物が寂しいので、アンダーソンでそれを補っている感があります。

▼オススメアイテム
・ワイドフィットストレートジーンズ 3990円

 以上、今回はユニクロの定番となっている3つのコラボについて特徴をおさらいしました! 参考になれば幸いです。

―[メンズファッションバイヤーMB]―

【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』ほか関連書籍が累計100万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)

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