「やってる感」を画面で演出、ヘッドバンド型ヘッドセット売上急伸

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 コロナ禍で、すっかり定着したオンライン会議。昨年4月、最初の緊急事態宣言が発出されて以降、急速に普及した。関連機器で最も売れたのはWebカメラだ。前年比で4倍、5倍と売り上げる月も珍しくなく、大ヒットカテゴリーの筆頭だ。もう一つ、関連して売れ続けているのがヘッドセット。通話用マイクが付属するイヤホンやヘッドホンだ。Webカメラほど派手ではないが、販売台数前年比で20~40%増のペースで活況が続いている。中でも急激に売り上げを伸ばしているのが「ヘッドバンド型のヘッドセット」だ。全国2700店舗の家電量販店やネットショップの実売データを集計するBCNランキングで明らかになった。

 ヘッドセット市場のうち、特にヘッドバンド型が占める割合が急拡大。この3月では26.6%と、左右分離型、カナル型と肩を並べる存在に成長した。昨年1月までは15%前後だったが、2月以降はオンライン会議需要が高まったためだ。ヘッドバンド型の多くは、口元にマイクが固定できる構造になっているため、より確実・クリアに音声をとらえることができる。一方、カナル型や無線タイプの左右分離型は、ケーブルの途中やイヤホン本体にマイクが仕込まれている。どうしても口からの距離が遠くなり、場合によっては音声が相手に届きにくくなってしまう。会議などの用途で確実性を重視するならヘッドバンド型というわけだ。オンラインゲーム中に仲間と連絡を取り合う際にも適しているため、ゲーミングヘッドセットもヘッドバンド型が主流だ。
 コロナ禍以前は、ヘッドセットの用途の大半は、スマートフォン(スマホ)のハンズフリー通話だった。街中でつけて歩くことも多いため、マイクが目立たず外部の騒音を遮断できるカナル型が多く、構成比が4割を占めていた。そこへ、無線で完全に左右分離で使えるタイプが登場。カナル型と構成比を分け合うまでに拡大した。普段は音楽を聴きつつも、電話がかかってきた際にはそのまま通話ができるという利便性が受けて販売を伸ばした。左右分離型の代表格はアップルのAir Podsシリーズ。3月現在でも「AirPods Pro」がヘッドセット全体の5.0%占めるトップシェア製品だ。
 コロナ禍で伸びたヘッドバンド型のヘッドセットは、パソコン黎明期からあるカテゴリーで、昔は大半がこのタイプだった。コールセンターのオペレーターを筆頭にハンズフリーで通話するために愛用されてきた。3月現在で最も売れているのはロジクールの「H111r」。平均単価(税別・以下同)が1000円台前半と、価格の安さで支持を集めている。シェア3位には同社のゲーミングヘッドセット「G331」がランクイン。平均単価は4000円台の中頃だ。ゲーミング用途の製品は平均単価が高めだが、上位にいくつかランクインしている。Razerの「RZ04-02830200-R3M1」も7000円台と高価だが、5位と売れている。昔ながらのヘッドセットといえば、片耳タイプをイメージする昭和世代の人も少なくないだろう。電話の利用形態に近く、片耳で相手の音声を聞きながらハンズフリーを実現する製品だ。最も売れているのはエレコムの「HS-HP21UBK」。平均単価は1000円台の中頃で、こちらも手ごろな価格で人気だ。
 ヘッドバンド型ヘッドセットのメリットの一つとして、利用中のイメージの良さが挙げられる。特に片耳タイプのヘッドバンド型ヘッドセットを装着してオンライン会議に参加すれば「いかにも感・やってる感」があふれる。まじめに会議に出席しているイメージを演出できるような気がする。もちろん私も、片耳タイプのヘッドバンド式ヘッドセットを愛用している。(BCN・道越一郎)

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  • 4/18 18:30
  • BCN+R

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