“作りおき“が週末ストレスに…それより楽なレトルト・惣菜の賢い使い方

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 作りおきは、本当に幸せを生むのか?

 現代人を救う存在としてもてはやされている「作りおき」。みなさんはどんなものを、どれだけ作りおいていますか? さまざまなレシピがネット上で溢れていますし、レシピ本も続々登場していますが、実際どれだけ救われているのでしょうか? どんなに忙しくても積極的な作りおきをしない家庭もありますし、よくよく聞いてみると、休日のリフレッシュタイムが台無しになることもあるようで……。

 ということで今回は、現代人をちゃんとおいしく、健康的に助けてくれる「作りおきの理想像」について考えてみたいと思います。

◆休日が忙しくなる作りおき、本当に必要?

 仕事の稼働日分のおかずを作りおくとして、想定としては10品前後の料理をすることを思い浮かべてください。どんなに料理上手であっても、1時間で作り終えることは難しいでしょう。

 もしできたとしても、手抜きや簡易調理に依存してしまうかもしれません。おそらく普通に作るとなると、2時間以上はかかりそう。それに加えて準備や片づけをするとなると、せっかくの休日のうち3時間以上は作りおきに割かれることになります。

 あれっ、そもそも休日って心身共にリフレッシュすべきとき。料理が大好きでストレス発散になるという人を除けば、この作業を毎週続けるのは、少なからずストレスはつきまとうのではないでしょうか。

 また、世に出回っているレシピを見て、疑問を抱くことがあります。例えば、魚の揚げ物。臭みはもちろんのこと、魚の良質な脂質が酸化してしまうリスクも高まります。また、ビタミン類などの劣化が心配になるようなサラダも多く見かけます。

 私が言いたいのは、作りおきにも場合によっては欠点があるということ。休日のリフレッシュタイムが奪われてしまうこと。おいしさや栄養価の劣化に対して、自分がどれだけ受け入れられるかは、立ち止まって考える必要があります。ではどんなものであれば、良いのでしょうか?

◆作りおくなら、全部作ろうとしないこと

 最初に申し上げたいのは、万人に当てはまる100%の正解はないということ。あくまでも自分にとって最良なバランスを考えていくことが重要ですから、私の提言は参考程度にしてください。

 私のオススメは、全部のおかずを作ろうとしないことです。平日の帰宅後にハラハラドキドキを緩和する程度を目安にして、作りおきの優先度を決めてはいかがでしょうか?

 私自身が優先度を高くしているのは、不足しがちな野菜や海藻をたっぷり使ったメニューで、味の劣化がしにくいものです。特筆すべきは食物繊維で、料理に時間がかかる根菜類や海藻類を使ったおかずはオススメです。

 私のお気に入りは、ポリフェノールが豊富な紫キャベツのマリネ、きんぴら炒め、たらこと白滝の炒め和え。

 例えばこの中でも、紫キャベツの上に乗せるオレンジはビタミンCの劣化が心配ですから、食べる直前に切って合わせたほうが良く、それを知っておくことは有意義でしょう。きんぴらは、市販のものには入っていない「えのき」を加えて炒めるなどの工夫はいかがでしょうか?

 その他、季節の炊き込みご飯をたっぷり作って冷凍しておくこともオススメで、レンジで温めることで劣化も少なく香りよく味わうことが可能です。

 そしてもう一つ私が提案したいのが、作りおき以外の選択肢を柔軟に持つということです。「手作りが最高」という呪縛から解放されるべきだと、私は思うのです。

◆市販のレトルト惣菜は100円台で驚くほどおいしい

 例えば、スーパーのプライベートブランドとして売られているレトルトパウチタイプのお惣菜。たけのこ土佐煮、豆と野菜の煮物、ひじき煮など、すべて100円台で購入でき、一品あったら食卓が豊かになりそうなおかずです。

 しかも、これらはある程度日持ちがするようになっていますから、冷蔵庫にストックしておいて、使いたいときに使えるのも便利。お弁当のおかずとしても活躍するでしょう。

◆スーパーの揚げ物や焼き物は、劣化も少なくリーズナブル

 作りおきで推奨しがたいのが、前述した「揚げ物」。油の酸化やおいしさの劣化が気になります。

 これらはスーパーで作りたてを購入するほうが良いときもありませんか? お店に並ぶ揚げ物は作りたてのものも多く、その日に売り切るようになっています。また、デパ地下はさておき、スーパーなら値段もびっくりするくらい手頃です。

◆冷凍食品を活用すれば「作りたて」を味わえる

 冷凍食品も心強い味方になります。例えば、牛丼の具。レンジで温めるだけで作りたてに近いおいしさを実感できるでしょう。また、専門店で買うよりも小ぶりなサイズ感で、他のおかずとのバランスが取れるように設計されています。

 私が重宝しているのは、水餃子。野菜と一緒に鍋に入れて数分温めるだけで、ボリュームたっぷりなヘルシー汁物が完成します。

 作りおきに義務感を抱くようになったら終わりだと、私は思います。どうか楽しみながら、他の選択肢と一緒に無理なく取り入れていくのはいかがでしょうか。

<取材・文/スギアカツキ>

【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12

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