ここが変だよ日本の中華! 台湾人にとってラーメンライスはアリかナシか?

 日本の食文化において、すでに定番グルメとして根付いた外国料理の代表の一つが、ラーメンやチャーハン、餃子などの中華料理。

 普段、我々はなにげなく「ラーメン&ライス」や「ラーメン&半チャーハン」、「ラーメン&餃子」などと自由気ままに食べていますが、本場・台湾人から、「ちょっと待った!」と異論の声が挙がっているとの情報が。

 その実態を探るべく、急遽、日本で暮らす台湾人女性2名を横浜中華街に招集。日本人の食べ方についてぶっちゃけてもらいました。

 今回、実態調査として訪れたのは、横浜中華街にある中国家庭料理の店『山東』。ミシュランのビブグルマンも獲得している名店です。そして、台湾の食文化について語ってくれたのは、リン・ファンユさん(日本在住2年)と、リュウ・アキョウさん(日本在住2年半)です。

来日して一番驚いた中華メニューとは?

編集部:早速ですが、皆さんの毎日の食事はやっぱり中華料理がメインなんですか?

リンさん:いつもは台湾の家庭料理を食べています。野菜炒めとかスープとかに白ごはん。個人的にはスープは絶対必要! スープのベースは鶏ガラ、骨などを入れて作ります。あとはまぜ麺とかも作りますよ。

編集部:まぜ麺ですか。名古屋発祥の台湾ラーメンやまぜ麺とか食べたことありますか?

リンさん:名古屋の台湾風まぜ麺ね。あれは台湾にはないけど、おいしいですよね!

編集部:ないんですね! 台湾の味だと思って食べている人も多いと思いますよ(笑)

リュウさん:ないです。あれは“台湾風”ですね。あと、担々麺とかもそうですけど、台湾ってつくと辛いというイメージを持っている日本の人、多い気がします。でも台湾は辛くないんです。もやしやひき肉、煮卵などを入れて食べるのが普通です。

編集部:日本に来て飲食店でびっくりしたことはありますか?

リュウさん:なんと言ってもラーメンライスですね。ラーメンや餃子などを頼んだ時に、セットでご飯がついてくること。食べ過ぎなんじゃない!? と思いました(笑)

編集部:え! 台湾の感覚では、ラーメンライスはなし!?

リンさん:餃子やラーメンは主食として食べるので、ご飯との組み合わせは台湾ではあり得ないです。餃子は主食として食べて、あとはスープと一緒に食べることが多いです。

編集部:日本のサラリーマンはこの組み合わせ大好きなんですけど…。

リュウさん:台湾では、基本的に炭水化物と炭水化物の組み合わせはしませんね。餃子もご飯も麺も主食なので、一緒に食べるという発想自体がないかもしれません。

リンさん:そもそも台湾には日本の食堂やレストランのように、ひとり用のセットがないんです。大人数で行った場合は、いろいろ頼んでシェアするので、その時は一緒に食べることもありますけど。

編集部:じゃあ、ひとりで行くと単品だけなんですか?

リンさん:そうです。ラーメンならラーメンのみ、水餃子なら水餃子のみです。日本ならこれにご飯や半チャーハンとかセットになったりしますが、それがない。そこが台湾と違うと思います。

編集部:初めてラーメンライスなんかのメニューを見た時どう思いましたか?

リュウさん:私は選択するのが苦手なので、一度にいろいろ食べられてお得でいいじゃん! と思いました(笑)

リンさん:私も思った! 日本の餃子は小さいから食べられる。台湾の餃子は皮もしっかりと厚いものが多いので。

まだまだ出てくる“ここが変だよ”日本の食文化!

リンさん:あと、日本人はラーメンや餃子を食べる時、結構ビールを頼む人が多いのにもびっくりしました。

リュウさん:それわかる! 台湾人は食事の時ビールは飲まないし、飲み物も頼まない。

編集部:台湾人は食事の時にお酒は飲まないんですか?

リュウさん:飲まないですね~。お酒飲みたい時は、熱炒(※)に行ったりして、食事とは別にします。日本に来たばかりの頃、注文の時に最初に飲み物を聞かれた時は驚きました。

リンさん:飲み物は他の店から持ってきても大丈夫なことが多いので、飲食店で台湾は飲み物を頼まないんです。タピオカとか、暑いからドリンクスタンドで買って持ち込んだりしています。日本だったら、お店の人に怒られちゃうけど、台湾では普通なんですよ。これが台湾スタイルですね(笑)

(※)熱炒(ルーチャオ)・・・台湾の家庭料理を手軽に楽しめる大衆居酒屋のような店。海鮮料理や肉料理、野菜料理などメニューが豊富にあり、一皿だいたい100元(約400円)~とリーズナブル

「炭水化物祭り」開催! いろんな組み合わせを食べてもらった

 ここまでの会話で「ラーメン&チャーハン」などの日本らしさが改めて浮き彫りになったわけですが、日本人としてはどうしてもこの味を伝えたい! そこで失礼を承知で、ラーメン&ライス、そしてチャーハン、餃子ライスなどを食べてもらうことにしました。

編集部:突然ですが、ラーメンライスにチャレンジしてみませんか?

リンさん:本当に突然ですね(笑)。友人に連れられて何度か食べたことあって他の組み合わせも食べてみたいと思っていたので楽しみです!

 ということで、王道のラーメンライスだけでなく、チャーハン×餃子、餃子×ご飯の組み合わせも追加で注文します。

編集部:味はどうですか?

リンさん:うーん、おいしい! この組み合わせは初めてです。合いますね。こちらの水餃子はとってもおいしい。台湾の味と近いです。水餃子がこんなにおいしいお店は、日本で初めてかも。毎日食べられる味です。

 次は焼き餃子×ご飯の組み合わせです。こちらをリュウさんに食べてもらいました。いつもは単体で食べていますが、この組み合わせはどうでしょうか?

編集部:感想はいかがでしょう?

リュウさん:餃子がジューシーでおいしい! 皮がしっかりしています。餃子の味も強めなので、ご飯と合いますね。初めてこんな風に食べたけど、いいかも(笑)

最後に台湾人に「ラーメン&ライス」も食べてもらった

 最後に試食をお願いしたのはラーメンライス。これは日本人、特に食欲旺盛な人なら、何度となく食べているであろう定番メニューです。この旨さ、わかってもらえるんでしょうか?

編集部:いかがですか?

リンさん:以前食べた時は、組み合わせの衝撃でしっかり味わえてなかったですが、今回改めて食べると意外と合いますね~。

リュウさん:ご飯に余計な味がないから、ラーメンの味を引き立てていますね。合うと思います! でもお腹いっぱいになるから、これは別で食べてもいいかな(笑)

編集部:そうですね。確かにお腹いっぱいになりたい時に食べるメニューではあるのですが、味とか量とか抜きにして、ラーメンの後にご飯をいっぱい頬張る感じが、好きな人はとことん好きなんですよ!

リンさん:熱量がすごい(笑)。今までこんな食べ方をしていませんでしたが、今は日本人がこうやって食べる理由がわかりました。グッドです!

リュウさん:いま台湾は健康志向がブームで、一度にそんなに量は食べないんです。セットにすると量は多くなるから、大丈夫かなと心配でしたが、意外と行けますね。でもお腹パンパンです(笑)

 どうやら、おおむね好評を得られてひと安心。台湾では炭水化物を一緒に摂らないのは、主食同士ということと、単品のみで小分けのセットメニューがないから、ということが判明。日本のように少しずつのセットは、いろいろ食べられてお得だと語るおふたり。これを機に「セットメニューを頼んでみるのもいいかも、ありかも!」とのことでした。

台湾人も認めたお店『山東』とは?

 今回協力してもらったお店は、ミシュランのビブグルマンにも輝く中国家庭料理の『山東』。名物の水餃子は1日400皿も出る人気のメニュー。冷凍はせず、店頭でその日の分を皮から作る手作りの水餃子や餃子などの点心が大評判。横浜中華街屈指の名店です。

●SHOP INFO

店名:山東

住:神奈川県横浜市中区山下町150-3
TEL:050-5869-6205 (予約専用番号)
045-212-1198 (お問い合わせ)
営:11:00~翌1:00(L.O.24:30)
休:無休

※新型コロナの影響により営業日・時間が不安定になっています。来店される際は事前に店にご確認ください。

●著者プロフィール

矢巻美穂(やまき・みほ)
国内外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマンで、撮影から執筆・編集作業まで行う。単著としてネパール、台湾、ウズベキスタン、韓国などのフォトガイドブックを執筆。近著は『はじめて旅するウラジオストク』(辰巳出版)。また、YouTubeで「旅ちゃんねる MinMin Tour」をオープン。これまで取材に行って、本当に美味しかった店や行ってよかった人気スポットを紹介。

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