ずさんな結婚相談所の裏側。成婚者0人、主婦が片手間でやっている相談所も

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◆「結婚相談所はどこも同じ」と思ったら大間違い!

 こんにちは。恋愛婚活コンサルタントの菊乃です。

 マッチングアプリが台頭する中、婚活の手段として今も根強い人気を誇る結婚相談所。大抵の相談所は連盟に加入しており、日本結婚相談所連盟IBJは加盟店2589社、日本ブライダル連盟BIUの加盟店は1612社など、相談所自体は全国に約4000社以上存在しています。これだけ数が多いと中には悪質な相談所もあり、せっかく入会したのに上手くいかなかったという話は多く聞いてきました。

「お見合い希望日を仲人が間違えていた」
「説明を聞きに行っただけなのに、今すぐ入会しない人はどうせ結婚できないと言われた」
など、仕事として責任感を持っていたら起こりえないであろう話をよく聞くのです。

 また、相談所担当者が書く会員PR文が「とてもいい人ですよ。ぜひ会ってみてください」程度という、誰にでも書けそうなやる気のない内容ということもザラにあります。一体どういうつもりで結婚相談所を運営しているのでしょうか。今回は、近畿地方で結婚相談所を運営している40代後半の林さん(女性・仮名)の取材をもとに、ずさんな相談所の実態をお伝えします。

◆約120万円を払い結婚相談所を開業

 林さんとは、5月後半に開催された婚活事業者向けのZoom情報交換会で出会いました。しかし、Wi-Fi環境が整っておらず、音声がとぎれとぎれ。他の相談所の方がコロナ禍でもZoomでオンラインお見合いをやっていることをそこで知り、慌ててインターネットの契約を変更したそうです。林さんはご自分を「ボーっとしているタイプ」と分析していますが、Zoom会から感じ取ることができました。結局、緊急事態宣言中はほぼ休業状態だったそうです。

 そんな林さんは、なぜ結婚相談所を開こうと思ったのでしょうか?

 実は彼女も、相談所を通して結婚した「相談所ユーザー」だったのです。自身の婚活中に「この人はしゃべらない方が印象いいのに」など、アドバイスしたいと思ったことが何度かあったと言います。その後、婚活アドバイザー育成コースを受け、諸経費や加盟金約120万円を払って開業しました。「自分が結婚できたのだからできるだろう」というのが大きな理由だそうです。

「今回の取材にあたって、気になって色々調べたんです。婚活アドバイザー育成のコースで一緒に研修を受けた新人仲人が20人程いたのですが、今も運営中と確認できたのは約半数。その中でも会員が0~1人という相談所もあり……。多分、その一人って自分が会員として活動している方じゃないかなと思います。
 今もしっかり相談所を続けているのは5~6人でしょうか。講師の方も、今は土日だけ仲人業で平日は会社員として働いているようです」

 後から知ったそうですが、新規加盟者を紹介した人へ相談所連盟から紹介料が支払われていたそうです。婚活アドバイザー育成事業を始めたのは、そんな紹介手数料目当てだったかもしれません。

◆ネット閲覧ができない80代の仲人

 相談所は会員が入会すると、連盟のデータベースに写真やプロフィールを登録します。自社の会員が他の相談所の方とも出会えるようにするためです。独身証明書、大学の卒業証書、源泉徴収票といった公的書類を提出し、喫煙状態や婚歴も自己申告します。場合によっては病歴や宗教などのセンシティブな個人情報も含まれます。

「仲人になって一番驚いたのは、通常はメールでやり取りする個人情報を、ファックスや郵送で送れと言われたことです。
 私の会員が、ある相手にWEB経由でお見合い申込んだんです。すると相手の仲人から電話がかかってきて『その方の身上書(婚活用プロフィール)ファックスで送って』と。仲人同士は普段メールで連絡するので、電話なんてかなり稀(まれ)です。インターネットに慣れていないのか、会員情報を冊子にしたものを郵送してもらっているおばあちゃん仲人もいるみたいです」

「え!ネット上でプロフィールは見れるはずですよね。なのにファックスとは……。その方、おいくつなんでしょうか?」

「うちの会員情報は全部ネットに掲載しています。相手の仲人は80代ぐらいでしょうかね。パソコンが使えない人の代わりに、新規会員の情報を連盟本部が入力することもあるようですよ。そんな状況なので、40代ですけれど私はまだ若手です」

 Wi-Fi環境が整っていないことで驚きましたが、林さんはマシな方なのかもしれません。

◆累計会員数は4年で12人。成婚者も0

 上には上がいますが、林さんの相談所はどうでしょう。会員数を聞いてみたら……。

「初年度は1~2人程度でした。お恥ずかしい話ですが、開業してから4年間で累計で12人です」

「え!累計で!? それでは食べていけないですよね?」

「夫の扶養内でやってます。そういう仲人や、副業としての人、年金暮らしの傍らでやっている人も多いです。相談所の売り上げだけで生活している所は、常時40人ほど会員がいますね。会社組織でやっていると、数百人いるところもありますけど」

 累計12人ということも驚きましたが、量より質という場合も……。相談所のゴール、成婚者の人数が気になります。

「成婚者は何人いらっしゃるのでしょうか?」

「それが0人なんですよ。私はアプリで活動している方はそちらの相談も乗るんですが、2人ほどアプリで出会った方と結婚しました」

「そうなんですね。でも、マッチングアプリと並行して活動もできるとHPには書いていないですよね?」

「あ、書いてなかったかな。会員の皆様には何でも聞いてくださいって言っているので」

 初対面の仲人に質問できない方だって多いのだから、しっかりと記載した方がいいと思いますが……。

◆入会金1万2千円の結婚相談所は安いのか?

 そんな林さんの相談所には、どんな人が入会するのでしょうか?

「同じ駅前に安い結婚相談所があるんです。そこに入会したけれどうまくいかなくて、うちに来た人が何人かいますね。そこは入会金1万2千円で、月会費5000円、お見合い料は別途かかるようです」

 入会金1万2千円は安いのでしょうか?結婚相談所HPに「低価格が特徴です」と記載があることが多いのですが、マッチングアプリがこれだけ普及している中、その額を低価格と一般ユーザーは認識しないと思います。

 ちなみに、林さんの相談所は入会金が3万円、月会費が1万円、相談所で出会った人と結婚が決まれば成婚料が別途必要になるという料金体系です。入会金が10万円前後するところと比較すれば安いかもしれないけれど、マッチングアプリと比較したら高い。

◆会員の出費は結婚に至らなくても年間トータル15万円

 会員の出費は結婚に至らなくても年間トータル15万円かかります。安くはないお金を払っているのに、相談所をパート感覚や片手間で運営していると知ったら幻滅するのではないでしょうか?

「今まであまり覚悟を持たずに仕事をしてきて、ちょっと変わった方だと思っても断らずに入会してもらっていました。でも、これからは結婚をお世話したいと思える人だけに入会してもらい、運営方法も改善していく予定です」

 最後に、林さんに、やめた方がいい相談所の特徴を聞いてみました。

仲人が自身の写真やプロフィールを載せていないところはやめた方がいいですね。公開したがらない方も多いですが、仲人との相性は大きいと思うので。ただしHPと実物が乖離している場合もあるので、必ず会って話を聞いてみた方がいいです」

 結婚のお世話をしたい方のタイプを尋ねたところ「不器用だけど頑張りたい、真面目な人」とのことでした。林さんの相談所から成婚者が出るのは、一体いつになるのでしょうか?

<取材・文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。

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