「結婚する時、感情より“育ち”を優先させたら…」27歳のミリオネア妻を悩ます、ある問題とは

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これは国税庁の『統計年報』から推計する、日本で年収が1億を超える人の割合だ。

彼ら“ミリオネア”に出会える可能性はかなりレアだが、その男たちを射止めた女たちは実際に存在する。

それは一体どんな人物なのか?その生態を探ってみよう。

▶前回:もう私なしじゃ生きられないでしょ?サラリーマンの夫を捨てて億超えの男を捕まえた妻


【お見合いでミリオネアと結婚した女】
名前:佳奈子
年齢:27歳
職業:専業主婦
夫の職業:製造業の家業4代目

このレベルの生活以外は、考えられない


「佳奈子、あの家の御子息も彼女を探しているみたいだぞ」

父が初めてお見合いのような話を持ってきたのは、佳奈子が大学一年生の秋頃。

だが当時、家族には言っていなかったが、佳奈子には大好きな彼氏がいた。

彼は2学年上の近隣大学のアメフト部で、入学して間もない頃からの付き合い。大学3年生だった彼はサラリーマン家庭出身で、キー局への内定が決まっていた。

一方佳奈子は、割と大きめな規模の小売業を営んでいる家の育ち。父はよく、こんなことを言っていた。

「確かあの子の家、サラリーマンの一般家庭だよね」

だから彼と付き合ったのも、そんな父への反骨心の一種だった。

だがいま思うと、それは何不自由ない暮らしを家族にさせているという、父なりに威厳を保つための発言だったのかもしれない。

大学3年の就活時に、あることに気づいたのだった。

佳奈子は、現実社会の厳しさに気づき…。一般家庭出身の彼との仲に決着をつける。

―頑張って働いても、お給料として貰えるのは1万円のお札が20枚弱なのか…。

佳奈子はそんな当たり前のことも知らずに、いままで生きてきた。

欲しいものはいつでも手に入るし、通学バッグはバーキン。ファストファッションこそ着たが、身に着けるものは高価な物ばかりだった。

―父が与えてくれた生活を保てないのは、絶対無理…。

そう感じたら、付き合っている彼への気持ちに自信が持てなくなった。

「将来を考えると、一緒にいられないかも…」

そう言うと、彼氏は少しほっとした様子だった。きっと彼も価値観の違いを感じていたのだろう。

そして、家業の事務員をしていた25歳の時、家柄の近しい秀一との縁談が舞い込んできた。銀行の上役が持ってきた話だ。

秀一の実家は、大きな規模の製造業を営んでおり、国内外問わず拠点がある。秀一はその三代目。よって家柄は申し分ないが、話を聞いたときは一抹の不安を覚えた。

―…え、あの秀一さん?いい噂聞いたことないけれど、大丈夫かな。

元彼以外の男性経験がない佳奈子に対し、秀一には常に女性の噂が絶えなかったのだ。

「ねえ見てこれ。また秀一さんの彼女がかわったみたい」

秀一ではなく彼女側がSNSに投稿をしていた写真を、友人たちからよく見せられていたのだ。

秀一はそれほどに人気というか、話題の男であった。

名門大学付属の生粋の内部生で、名家の長男。加えて端正な顔立ちをしており、ミスターコンテストに出た経験もある。体育会所属で、運動神経も抜群。

会ったこともないのに、チャラチャラした男だという印象を持っていたのだ。

だが実際に会ってみると、それまでのイメージと大分違った。

―あれ、なんか…変わった?

若い時より、だいぶ優しい雰囲気を纏っていたのである。

だが目は奥二重だが大きく、鼻筋が綺麗に通っている端正な顔立ちは、20代半ばを過ぎても健在だった。

それとやはり彼は、『普通の人』とは違う。

―たしかに人気だった理由が分かるな。

生まれた時から選ばれた者だけが持つ人を惹きつけるオーラを放っているが、物腰は柔らかで気品があった。

彼とやっていけるかと少々悩んだりもしたが、いざ結婚を前提に付き合い始めると順調だった。


結局のところ、育ちが似ていると付き合いが楽なのだ。

特に金銭感覚が似ており、お金を持っているからと言って無駄遣いをしないところもポイントが高かった。

そして何より心配をしていた女性関係も、すっかり遊びに飽きている様子だった。

また彼の方も、出自が分かる女との付き合いは安心するようだ。彼の母親や妹が佳奈子と同じ学校出身というのも大きく、いつ結婚してもよいという雰囲気が見てとれた。

こうして2人は、トントン拍子で結婚まで進んだのだった。

…ただし、1点だけずっと気にしていた点を除けば、結婚まで完璧だったと言える。

それは姑となる、秀一の母親が家庭内で絶対的な権力を握っていることだった。

何故か一家の権力者の姑、その理由と苦労とは

義父は婿養子だった


「父親が、母親にまた折れてさ…」

付き合っている時から、たびたび秀一から家の話は聞いていたが、自分の家とは違い母親がずいぶん強く出るのだなと感じていた。

一般的には父親のほうが立場は強く、それを支えるのが母親だと思っていた。古い考え方かもしれないが、この方が父親は事業に専念できて効率がいいのだ。

だが、秀一の家は違った。

義父は婿養子だったのだ。


聞くところによると、一家の絶対的な権力者であった先代が手塩をかけて育てた義母に、誰も逆らえないようだ。

―でもうまくやれば、大丈夫よね…。

それを知ったからといって別れようとは思わなかったし、正直甘く見ていたのだ。

だが結婚してみて、姑の押しの強さは予想以上だった。

豪邸での同居を精一杯拒んだことが、せめてもの救い。だが近所に住んでいるため、車で買い物に連れて行って欲しいと言われたら、嫌とは言えない。

また姑が、ファッションについて口出しをしてくるのも困りものだった。結婚前は分かりやすいブランドの服だって着られたが、いざ跡取りの妻という立場になると、義母の言うことを聞かざるを得ない。

「佳奈子さん、その時計はダイヤ入りでしょ?派手だからあまり身につけないで頂戴。それとスカートが短いわ、もう少し長い丈にして」

まるで校則の厳しい中学校の先生のようだ。

良家の体裁を守るというのも理解できるが、まだまだ心置きなく好きなものは着たい年頃であるので、その面のストレスは計り知れない。

だが現在、佳奈子は妊娠8ヶ月であり、男の子を身篭っている。

男の子は跡取りになる可能性が高いので、口うるさい義母も今回ばかりは喜んでくれると信じていたが、反応は予想外だった。

「あら、男の子なの。私みたいに影の女社長のような女の子が育たないかな、って思ってたのよ」

親としては、無事に生まれてきてくれれば男女等関係ないだろう。しかし、良家だとそうはいかないのが現実だ。

いまでは、それでも跡取りの可能性が高い男の子を産むのだからと強気だが、言われた当初は相当落ち込んだものだ。



金銭的には一生困らないが、予想外のボスが支配する家に嫁いだ佳奈子。

そしてそれを、夫に相談しても仕方がないと言われるのが虚しい現実である。

今の願いは、夫が海外の拠点を任され、生まれてくる息子と一緒に駐在すること。

そう、義母の目から自由になることだ。


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