コロナ解雇される人たちのリアル。CA、ホテル、タクシー業界の嘆き

拡大画像を見る

 新型コロナウイルスによって消えゆく職業とは……? コロナ禍の影響を受けて、仕事が減ったり、解雇されるという憂き目に遭った人たちを取材した。

◆既に生き残りの厳しさを痛感している人たちのリアル

「私が働いていた温泉街でも一部のビジネスホテルチェーンのような自動チェックインを導入しようとする動きがあり、その矢先のコロナショックでした。これを機にフロント業務のAI化が加速化し、外国人観光客が再び戻っても求人が増えるかは正直疑問です」

 そう語るのは、5月末に解雇された元ホテル従業員の杉下毅さん(仮名・44歳)。現在は一時的に農園でアルバイトをしているが、コロナ収束後にホテルの仕事に復帰することは考えていないとか。

「解雇通告は突然でしたが、今の状態が続けば倒産や閉鎖もあるだろうなと。支配人が頭を下げている姿を見て、憤りや怒りの感情はなく、この人も辛いんだろうなと同情してしまったんです……」

 杉下さん、在職12年で退職金ゼロ。解雇予告手当として約16万円が支払われただけだったという。

◆タクシー運転手も人員削減

 一方、タクシー運転手も外出自粛で深刻な打撃を受けた仕事の一つだ。神奈川県内のタクシー会社に勤める河野和哉さん(仮名・53歳)は、「稼げずに辞める人間もチラホラ出てきた」と話す。

「緊急事態宣言中のような閑散とした雰囲気が続いている。さすがにこの状況が年単位で続けば、大きなタクシー会社でも人員削減が行われる。本当にお先真っ暗です」

 また、不安材料としては自動運転の存在も。市販化には時間がかかりそうだが、「仕事を奪われる」と不安を抱く人もいる。

「これに関してはタクシーより鉄道やバスのほうが先に導入されるはずです。そのときになったらマズいと思うかもしれませんが、おそらく10年20年先のこと。若い運転手ならともかく、自分はすでに引退している可能性が高い。ただ、ライドシェアサービスについては脅威を感じています。二種免許が要りませんし、個人でも始められます。ウーバーイーツのように今後増えるかもしれませんしね」

 そして、タクシー運転手以上に危機感を抱いているのが運転代行。

 ドライバー歴4年の大山悟和さん(仮名・55歳)は、6月に会社から契約解除を言い渡された。

「そもそも乗務は夜~深夜に限定され、仕事も基本的に2人一組で行うので割がいいわけではない。それなのに、夜の街に繰り出す人は今も激減したまま。おまけにタクシー会社が代行事業に進出し、少ない仕事を奪われるようになりました。今後ますます淘汰されていくと思いますよ。私のように契約解除で仕事を失うだけでなく、廃業する業者も今まで以上に増えていくでしょうね」

◆コロナ禍の被害は甚大。解雇通告に怯える日々

 さらに、コロナ禍の被害が甚大な航空会社の社員となれば気が気ではない。タイ国際航空などエアラインの経営破綻をはじめ、数千人規模の解雇も続出。外資系航空会社CAの吉江美彩さん(仮名・29歳)も月のフライトはほとんどなく解雇通告に怯える日々だ。

国内でもJALやANAは新卒採用が中止となり、海外では専門的な技術や知識を必要とするパイロットや整備士すら解雇したところもあります。それに比べれば、CAは替えが利く存在。近い将来ではなく今まさに仕事がなくなりつつある危機的状況です」

 多くの航空会社では再雇用を前提とした一時解雇だが、必ず復帰できるわけでもないという。

「結婚や出産で復帰のタイミングを逃す可能性もあるからです。それに業界には『CAは多すぎる』との声も多く、この機会に業務を見直して削減しようとする動きもあります。いまだにCAは人気の職業ですけど、もう昔のような花形の仕事ではないんです」

 きっかけはコロナでもいずれ同じ運命を辿ったのかもしれない。

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[生き残れない仕事]―


関連リンク

  • 9/14 8:54
  • 日刊SPA!

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます