仕事で「受動的」が悪いとされる本当の理由

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こんにちは、ヨダエリです。皆さんは、上司や先輩に「受動的だ」と叱られたことはありますか? 「そんな受動的じゃダメだよ」「もっと能動的に仕事してもらわないと」といった具合に。

……あります! とうなずいている人、結構多いのではないでしょうか。

と同時に、自分のどういうところが受動的なの? とか、受動的じゃダメなの? などとモヤモヤしている人もいるかもしれません。

そこで、そもそも受動的とはどういうことか。受動的だとなぜ叱られるのか。受動的でいるとどんな問題が生じるのか。などなど、仕事における「受動的」にまつわる疑問を解きほぐしていきたいと思います。

■受動的とは

まずは、「受動的」という言葉の意味を改めて確認しましょう。

ネットで調べると、“自分の意志からではなく、他に動かされてする様”とあります。これは理解できますよね。ただ、それって悪いこと? と思う人もいるでしょう。だって、仕事って上から与えられた指示に従って動くことじゃない? と。

一理あります。言われたことを、そこからはみ出さずに行うのは間違いではありません。むしろ、まずはその姿勢が大切。でも、上司はあなたを叱ります。

その意味を探るべく、今度は『新明解国語辞典第七版』で調べてみましょう。「受動的」は載っていなかったので「受動」の説明を見てみると、“他から動作を受ける立場にあること”とあります。また、「的」は“それに似た性質を持つ”という意味です。

つまり、「受動的」とは、“他から動作を受ける立場にあるような性質を持つ”ということ。

……何が何やら、ですよね。でも私は、これを読んで、なるほどと思いました。というのも、この説明から上司の言わんとしているニュアンスが見えてくるからです。それを次項で詳しく説明しましょう。

■上司は暗にこう言っている

上司は「君は受動的だ」とあなたを叱ります。受動的とは“他から動作を受ける立場にあるような性質を持つ”こと。つまり、上司のせりふに直すとこうなります。

「君は、他から動作を受ける立場にあるような性質を持っている!」

……チンプンカンプンですね。もっと状況に沿った言い回しに直してみます。

「君は、他の人から指示される立場であるかのように仕事をしている!」

……ハッ、としませんか。つまり上司は、「君は他の人から指示される立場ではないのに、そうであるかのように仕事をしている!」と言っているのです。指示されていないこともやるべき立場なんだから、指示以上のこともやってくれ、と。能動的に、つまり積極的に働きかける姿勢で仕事をしてくれ、と。

■なぜ叱られるのか

でも私、そこまでやるべき? と、まだ腑に落ちない人もいるかもしれません。

確かに、職種などによっては、そこまで求められるのはおかしいと言いたくなるケースもあるでしょう。例えば、営業職ではなくデザイナーなのに「契約を取ってこい」と言われたら、それは自分の仕事じゃない、と納得がいかない人もいると思います。

もちろん、中にはデザイナーが新規契約を取るところまで担う会社もあるので、そこはケースバイケースです。が、明らかに入社時や契約時には聞いていなかった作業まで求められ、話が違う! そこまでやるのは無理! と感じるのであれば。上司と一度、話をしてみてもいいと思います。もしかしたら上司の方が多くを求めすぎている可能性もあるので。

いや、そこまで嫌なわけではないけど……とか、想定外の作業をしろと言われているわけではないけど……という場合は、「もっと良い仕事ができるはず」と上司から期待されているんだ、と前向きに捉えましょう!

指示されたことだけやるのは初心者の段階。そこは既にクリアしているんだから、さらに良い仕事をするために指示されたこと以外もしてくれというわけですね。能動的に動いてくれ。そして、ビジネスパーソンとして一段階上に進んでくれ、と。

上司がそこまで考えてくれているかはともかくとして……(笑)。求められているのはそういうことだと思います。

■必要なのは「想像力」

でも、実際、何をどうすれば? と分からない人もいますよね。

能動的に仕事をするために必要なのは、想像力を働かせること。私はそう考えています。

例えば、あなたはあるWEBサイトの企画制作に携わっているとしましょう。そのWEBサイトで、新進気鋭の小説家Aさんのサイン本プレゼントをすることになりました。ところが、プレゼントの告知がサイトの目立たない場所にあり、募集期間も短かったせいか、応募者数がプレゼント数を下回る結果に。

あなたはAさんとやり取りをする担当者。当選者の名前をサインに書き添えてもらうべく、募集期間が終わったらAさんに連絡をすることになっています。

……さて、あなたはAさんに、この状況をメールで何と伝えますか?

ここで、事実のまま「応募者がプレゼントの数を下回りました。つきましては、その応募者の数だけ名前入りでサインをいただけると幸いです」とAさんにメールを送ったら。

そのメールを見た制作チームのリーダーやディレクターは、「ちょ、待てよ!」と、キムタクばりにツッコミを入れると思います。いえ、入れるべきです。

こんなふうに言われたらAさんはどう思うか考えないのか、と。告知が目立たなかったことや期間が短かったことが原因かもしれないんだから、もっと目立つ形での再告知を検討したりすればいいだろう、と周りは考えるはずです。

受動的に仕事をしていると、このように関わる人たちに悪い意味での引っかかりを感じさせる確率が高くなります。

Aさんの気持ちに配慮せず事実だけ伝えたことも、何が問題だったかを考えなかったことも、もっと目立つ形での再募集を検討しなかったことも、全て想像力を働かせることをサボっている表れ。

逆にいうと、その仕事に関わる人(職場のチームや取引先など)、仕事を目にする人(ユーザーなど)の視点に立って想像力を働かせるようにすれば、自然と能動的に動けるようになり、引っかかりを感じさせるリスクを減らせます。

不快になる人はいないか、傷つく人はいないか、不便だと感じる人はいないか、分かりにくいと感じる人はいないか、それを防ぐにはどうすれば? どこを工夫すれば? 何を足せば? 何を引けば? と想像しましょう。

そんなふうに想像力を働かせれば、何をすればいいかも自然と見えてくるのです。

能動的な姿勢が周りの姿勢も変える

とはいえ、実際に全ての人を満足させる仕事をするのは難しいもの。不可能と言ってもいいかもしれません。また、全方位に満足してもらおうとすると、結果的に面白みのないものになることもあります。労力をかけすぎて他の仕事に支障が出たり、あなたが体調を崩してしまったりする恐れもあります。

でも、それは能動的になり過ぎた場合の話。そこまで頑張るのは無理かも……という人の方が多いでしょうし、実際いきなり全方位に想像力を働かせる必要はありません。

まずは、想像力を働かせるところを1点だけ決めてみましょう。例えば、どうすればチームの皆が助かると思ってくれる? どうすれば取引先が分かりやすいと評価してくれる?  どうすればユーザーが便利だと感じてくれる? といった視点で。

受動的に仕事をしていた人が能動的になろうとした瞬間、それがささいな点でも、周りの誰かが必ず気付きます。そして周りは、頑張っているな、応援したいな、という気持ちにさせられます。

そんなふうに見てくれている人がいると思うと、ちょっとやる気が出てきませんか?

最初にお伝えしたように、受動的であることは必ずしも短所ではありません。でしゃばらず、求められていることを粛々と行う素直さは美点ですし、仕事でそれが評価されるシーンも多いはず。

ですが、それだけに止まらず、受動的で素直な性格に、能動的な姿勢をプラスできたら最強です。今の自分の良いところを活かしつつ、前向きに自分から動くようにすれば、あなたも周りの人たちも、今よりもっと気持ち良く仕事ができるようになりますよ!

(ヨダエリ)

※画像はイメージです

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