リバプールの戦術、選手起用法は? 首位独走もちらつく不安材料、悪化した数字とは?【序盤戦レポート(3)】

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2019/20シーズンは序盤戦を終えた。補強が成功して首位争いを演じるチームもあれば、低迷して監督交代を余儀なくされたチームもある。各クラブのこれまでの戦いを振り返りつつ、見えてきた戦い方と課題を考察していく。第3回はリバプール。(文:編集部)

リバプールの戦術は?

2019/20シーズンは序盤戦を終えた。補強が成功して首位争いを演じるチームもあれば、低迷して監督交代を余儀なくされたチームもある。各クラブのこれまでの戦いを振り返りつつ、見えてきた戦い方と課題を考察していく。第3回はリバプール。(文:編集部)
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 リバプールの監督に就任して5シーズン目を迎えたユルゲン・クロップのサッカーは、成熟期に達したと言えるだろう。一昨季はUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ファイナルへと駒を進め、昨季は14季ぶりにCLを制覇。プレミアリーグでは優勝したマンチェスター・シティに肉薄した。

 リバプールはほとんどの試合で4-3-3の布陣が使われる。ハイプレスを基調として、プレッシャーをかける。相手に隙があれば長短のカウンターを繰り出すが、ビルドアップからの遅攻も可能である。

 DFトレント・アレクサンダー=アーノルド、DFアンドリュー・ロバートソンの両SBは高い位置取りでチャンスメイクに関わる。中盤の3人のうち1人も攻撃に関わり、残された広大なスペースは残りの中盤2人と両CBがカバーする。

 FWサディオ・マネ、FWロベルト・フィルミーノ、FWモハメド・サラーの3トップはワイドに開くよりも近い距離感を保ってコンビネーションで崩す形を好む。頂点のフィルミーノは決してエゴを出すことなく、昨季得点王の2人のお膳立てに徹している。

 ボールと逆のサイドには、SBが高い位置を取っている。そこへサイドチェンジが入れば一気にリバプールはチャンスになる。2人合わせて昨季は33アシストを挙げているDFらしからぬ精度の高いキックを備えている。

替えの利かない最終ライン

 昨シーズン加入したGKアリソンがゴールマウスを守る。加入当初こそ配球面で安定感を欠いたが、徐々に適応。最終的にはリーグ最多となる21試合でクリーンシートを達成している。

 今季はリーグ開幕戦で負傷し、2ヶ月に渡って離脱したが、新加入のGKアドリアンがその間、7連勝で穴を埋めた。カラバオカップでは21歳のGKケビン・ケレハーが経験を積んでおり、バックアップ体制は万全だ。

 センターバックはDFジョエル・マティプが安定した働きを見せていたが、9月末に膝を負傷。一度は復帰したものの、再び離脱している。DFフィルジル・ファン・ダイクの相方はDFデヤン・ロブレンが務めているが、フィードやスピードなどではマティプに劣る。DFジョー・ゴメスも控えているが、今季は低調なプレーを見せることが多く、出場機会を増やせていない。

 右サイドバックにはアレクサンダー=アーノルド、左にはロバートソンが君臨。アリソン、ファン・ダイク、アレクサンダー=アーノルド、ロバートソンと、替えの利かない選手たちが最終ラインを支えている。

粒ぞろいの中盤

 中盤は右からMFジョーダン・ヘンダーソン、MFファビーニョ、MFジョルジニオ・ワイナルドゥムがファーストチョイスとなっている。逆三角形というよりは3枚のMFが横に並ぶ形で、それぞれが広大な範囲をカバーしている。

 中央から右サイドへとポジションを変えたヘンダーソンは攻撃面で新たな魅力を創出し、主将としてチームを牽引している。DFラインの前に構えるファビーニョは、持ち前のボール奪取能力でカウンターの芽を摘み、攻撃時は確かな足元の技術でパスの中継地点に。ワイナルドゥムはその万能性を活かして攻守に広範囲を動き回る。

 フィールドプレーヤー最年長のMFジェームズ・ミルナーは貴重なバイプレーヤーとして重宝されている。MFの4番手として質の高いターンオーバーを可能にするだけでなく、両サイドバックのバックアッパー役も務めている。カラバオカップではキャプテンマークを巻いて若手選手を統率するなど、チームには欠かせない存在だ。

 中盤と最前列で併用されているMFアレックス・オックスレイド=チェンバレンも欠かせない。昨季は大怪我でシーズンの大半を棒に振ったが、強烈なミドルシュートは健在。CLでは3得点をマークするなど、存在感を示している。

 ファビーニョは11月のCLで負傷してしまったが、レギュラーを張る3人だけでなく、中盤にはミルナーをはじめとするバックアップメンバーにも実力者が控える。それぞれが異なる特徴を持っているが、ピッチ上では役割に固執せずに長所を生かすようなプランを遂行することが多いのがリバプールの特徴だと言える。

3トップは健在だが、不安材料は…

 マネ、フィルミーノ、サラーが並ぶ3トップは、欧州で最もハイレベルな連係を見せる。得点力が玉に瑕だったマネは、昨季後半から決定力が高まり、昨季は得点王を獲得。フィニッシャーとしての才能を開花させた。

 昨季のCL準決勝2ndレグ、決勝とチームを救うゴールを挙げたFWディボック・オリギは、昨季に比べて多くの出場機会を得ているものの、目立った結果を残すことはできていない。MFジェルダン・シャキリも離脱期間が長く、層に厚みをもたらすことはできていない。

 前線の選手にも守備面での貢献が求められるだけに、3人の消耗は小さくない。抜群の破壊力を持つ3トップだが、チームとしては層の厚さに不安を抱えている。

 チーム全体としては前述の通り、失点数の多さが課題に挙げられる。昨季は半数を越える21試合で無失点を記録したが、今季は失点数が増加。悲願のリーグ優勝とCL連覇がかかる後半戦に向けて、ディフェンス面の修正が必要になるだろう。

(文:編集部)

【了】

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  • 12/3 10:10
  • フットボールチャンネル

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