「私たち、もう1年もないんだよ!?」夫婦生活に悩む美人妻が、たどり着いた最終手段とは

−この結婚、本当に正解だった?−

かつては見つめ合うことに夢中であった恋人同士が結婚し、夫婦になる。

非日常であったはずのときめきは日常となり、生活の中でみるみる色褪せていってしまう…。

当連載では、結婚3年目の危機にぶち当たった夫婦が男女交互に登場する。

危機を無事に乗り越える夫婦と、終わりを迎えてしまう夫婦。その違いは一体、どこにあるのか−?

これまで超・年の差婚をした広川家の、前妻が寝ていたベッドで眠る妻・20歳年下の後妻をもらった経営者の夫、狙い通り両家の子息と結婚した土屋美咲とその夫・和宏の話を聞いた。

今回は、レス問題に直面し悶々とする妻の言い分。

危機事例⑤ ついに直面したレス問題–妻の言い分−


【高橋家・結婚3年目の事情】

妻:里香
年齢:33歳
職業:IT系企業

夫:浩史
年齢:38歳
職業:不動産デベロッパー


「私…自分でも言うのもアレですが、スタイルならいい方だと思うんです」

控えめな口調でそう言って、里香は悩ましげな吐息を漏らす。

11月1日に開業した、渋谷スクランブルスクエアにある『神楽坂 茶寮』。窓から見える圧巻の夜景を眺めながらも、里香は浮かない顔つきだ。

...まあ、それも仕方がない。聞けば彼女は今まさに、結婚3年目の危機にぶち当たっているらしい。

「知っていましたよ。今や30代の夫婦でも約半数がレスと言われているんですよね。でも…どこかで自分だけは大丈夫だと思っていました。スタイルにも気を配っているし、夫の前で女を忘れないよう注意している。そんな私が、レスになんかなるはずないって」

里香は「まるでわからない」と言った様子で首を振る。そしてそのあと、彼女はそっと周囲を見渡し、声を潜めてこう言った。

「気づいたらもう1年近くないんです。このままレスが解消されなかったら私…浮気してしまうかもしれない」

「このままじゃ浮気してしまう」と語る里香。高橋夫婦がレスになった原因は何だったのか

スキンシップはあるから大丈夫だと思っていた


里香の話では、レスになった原因に、明確な心当たりはないという。

「私と浩史は2年弱の付き合いを経て、3年前に結婚しました。出会って5年になるわけですが、記憶を振り返ってみると、結婚して1年くらいは普通に夫婦生活があったはずです。それがお互い仕事も忙しいし、だんだん睡眠欲の方を優先するようになったというか…」

当時も、里香に「頻度が減ったな」という認識はあったらしい。

しかし別に里香の方もどうしてもしたいわけではなかったし、「まあ、そのうちに」と考えて大して気にしていなかったのだ。

ところが、この「そのうち」がいつまでも訪れない。というより、おそらくお互いに「いつでもできる」と思っているからこそ、タイミングがわからぬまま月日だけが経過していった。

「それでも別に、しばらくは深刻に悩んだりしませんでした。というのも私と浩史はとても仲が良くて、時間を合わせて途中まで一緒に通勤したり、帰宅時間を合わせて飲みに行くこともしょっちゅう。手を繋いだり軽くキスをしたり、スキンシップもあった。ただ、夫婦生活がない。それだけが、なかったんです」


レスであることを、特段大げさに捉えていなかった里香。しかし彼女が最近、急に不安に苛まれるようになったのは、ある朝、通勤電車で見つけた中吊り広告だったという。

−もう半年もしてない…。レスに悩む人妻の本音−

赤い背景に白抜き文字で、朝っぱらから公共の場所に踊る、下世話な見出し。

別に見ようとしたわけじゃなかったが、あまりにもどぎついその文字は、里香の視界へ無遠慮に入ってきたのだ。

「半年もしてない…って。私なんか、もう1年以上ないけど!?って、独り心の中で突っ込みましたよね。そして同時に、半年してなかったらレスなの…?と疑問に思ったんです。それで調べてみたんですよ、レスの定義を。そしたら…」

電車の中で、里香はこっそり検索をかけた。すると−。

「日本性科学会とかいう団体がレスを定義していて、それによると、セクシュアル・コンタクトが1ヶ月以上ない状態を指すんですって。セクシュアル・コンタクトにはキス等の接触も含まれるみたいだけど…それにしたって1年以上も夫婦生活がない私たちは、言い訳無用でレス認定されるでしょう。その事実を、ついに突きつけられた気がしました」

−私たち、レスなんだ…。

電車で下世話な中吊り広告を見つけるまでは、大して気にもしていなかった。

ところが一度気になってしまったが最後、里香の頭の中は「なんとかしなければ」という思いでいっぱいになる。

「勢いそのままに、関連記事を読み漁りました。するととにかく、早めの対処が肝心だって書いてあるわけです。私と浩史は、ぼんやりしている間にもう、1年もレス期間を作ってしまった。なんとかしなきゃって、焦りました」

どうにかしなくては…。焦った里香はついに、夫・浩史に切り出す

週刊誌の見出しに動揺してから間もなくの、週末の夜。

「早めに寝よっかな」と言って寝室へと向かった夫の背中を見つめながら、里香は心の中で繰り返した。

−別に、いつでもできるんだから−

そうだ。いつでもできる。ただ、なんとなくお互いにタイミングが掴めなかっただけで…。

そう自分に言い聞かせながら、里香もそそくさと夫の後を追いかける。

そしてすでにベッドで寝ている夫に、背中から抱きついてみた。あくまでも自然に、そういう雰囲気になるように…。

しかし浩史はというと、いったんは里香の方に向き直り、頭を二、三度撫でたものの、すぐに背を向けて寝ようとする。

その後何度かは里香もめげずにトライしたのだが、そのうちとてつもない虚しさに襲われ、そしてついに堪えきれなくなって、感情を爆発させてしまったのだった。


「言わないほうがいい。言っちゃいけないってわかってはいたんです。だけどあまりにも虚しくて、耐えられなくて…」

里香はばつが悪そうに一度口を閉じた。そして失敗を告白するように、小さな声で言葉を続ける。

「直球ストレートに、言ってしまいました。浩史はどう思ってるの?私たち、もう1年以上してないんだよ!?…って」

興奮気味に問いかけた里香を、浩史は「どうしたんだよ、いきなり」と必死に宥めようとした。

「別にそんなの、いつでもできるよ。今日はちょっと体調が優れなくて、それで早く寝ようとしていたところだから」

言い訳がましくそんなことを言い、再び「いつでもできるんだから」と繰り返す浩史に、里香はそれ以上何も言えなくなってしまったという。

「いつでもできる、なんて言いながら、結局その後まだ一度もありません…」

里香は恨めしげな視線でそう呟くと、窓の外の夜景に向かい思い切りため息を吐いた。

「最近、思うんです。私まだ33歳なのに、このまま一生誰にも抱かれないまま終わるの…?って」

そして里香は、ふるふると首を振る。

「そんなの絶対に耐えられない。だって私、それなりに綺麗だと思うし、さっきも言ったけどスタイルだって良いほうなの。目を外にさえ向ければいくらだって需要はある。浩史が向き合ってくれないなら、外で解消するしか道はないですよね?」

夫婦関係がなくなってしまったことを真剣に受け止めず、のらりくらりとかわすことしかしない夫。そんな浩史を半分諦め、この際、婚外恋愛で欲望を満たそうとさえ考えている妻・里香。

一方で夫の浩史は一体、夫婦のレスについて、どのように考えているのだろうか…?


▶NEXT:11月30日 土曜更新予定
30代夫婦の半数が抱えていると言われるレス問題。夫・浩史はどう考えているのか。

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