ディーン・フジオカ「シャーロック」あれ?常識的になった獅子雄、若宮の影響?モリアーティ=守谷再び6話

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獅子雄「ちなみに俺は、眠れなくなったことはない。眠りたいと思ったことがないからだ」
綾香「ふふ」
獅子雄「良い笑顔だ」

11月11日(月)放送のドラマ『シャーロック』(フジテレビ系)第6話。

原作に登場する“語られざる事件”の中から、今回は「カナリア調教師ウィルソンの逮捕事件」がピックアップされた。前世で「純ちゃん」を殺したと言いだす高校生・高遠綾香(吉川愛)。綾香の主治医であり、カナリアを飼っている精神科医の名前が「宇井宗司」というのは、“ウィルソン”から取ったのだろう。

宇井を演じたのは和田正人。宇井は、過去のトラウマからいつも自信がない。そのせいだろう、足を擦るように歩き猫背で実際の体よりずいぶん小さく見える。基本的にボソボソと話すが、自信がある特定の分野の話になると急に声が大きく饒舌になる。宇井の卑屈すぎてバランスの悪い側面を、隠しようがない程見た目に色濃くにじませる演技だった。

第2話・藍子(菅野美穂)回と比較。獅子雄が常識的に


獅子雄「へえ、なぜ精神科医に?」
宇井「弱者! 特に、心に傷を負った患者を救うためです」

第2話に登場した弁護士の藍子(菅野美穂)も、困っている人や弱者を助けたいと言っていた。博美を殺した藍子。綾香の記憶を操作しようとし恩師の平田初雄(伊藤洋三郎)を見殺しにした宇井。『シャーロック』は、安易に「弱者のため」と言葉にする者を疑う。2話、6話ともに、演出は野田悠介が担当している。

夜道で男性に襲われた綾香のPTSDを心配した母・美樹(霧島れいか)は、精神科の受診をすすめた。PTSD研究の権威である平田が主治医だったが、途中から准教授の宇井が綾香を担当することになる。宇井は、自分が研究していた「記憶操作」を綾香の治療に使い、殺人の記憶を植えつけようとした。

その動機は、研究のためではなかった。高校生の頃、宇井は美樹に告白してフラれ、ストーカー呼ばわりまで受けて警察沙汰になり、高校を中退せざるを得なくなっていた。その恨みを晴らそうとしたのだ。

宇井「お前に何がわかる!」
獅子雄「わからない。いや、責める気もない。だが、あまりにも……非合理的だ」
宇井「傷つけられた者は、記憶を引きずり苦しんでるのに、傷付けたほうは記憶にすら残らず幸せに暮らしてる。これがPTSDの典型的構図だ。私は、神がくれたチャンスだと思った」

PTSDのつらさを身をもって知っていながら、男性からの暴力でPTSDになった未成年の綾香を苦しめようとした宇井。好みではないというだけの理由で、好意を向けた宇井をストーカー呼ばわりした美樹。家族が自分を見てくれない寂しさから、「記憶操作」が効いたふりをして騒ぎを起こした綾香。
みんながみんな利己的な胸クソ回かと思いきや、若宮(岩田剛典)が精神科医として綾香にかけた言葉が、全てをきれいにまとめた。

若宮「家だけが君の世界じゃないよ。親を頼らなくても、生きていける」

綾香だけでなく、宇井も美樹も視野が狭かった。だからこんな事件が起きてしまった。直接的ではないが、大人たちをも諭す広がりのある台詞だ。

一方、獅子雄(ディーン・フジオカ)も宇井に言う。

獅子雄「そのつらい記憶こそが、いままであんたを奮い立たせてきたんだ」

2話での獅子雄は、罪を犯したと認めた藍子を「面白いな、あんた」と言って笑っていた。それと比べると、今回は何だかずいぶん常識的なことを言っているように感じる。一般的な感覚を持つ若宮と暮らし、獅子雄も影響を受けているのだろうか。

再び登場したモリアーティ=守谷


若宮「カナリア調教師は逮捕されたが、この事件は思わぬ人物の記憶をよみがえらせた。守谷壬三(もりや・じんぞう)。まるで前世から因縁があったかのように、あいつの心をとらえて離さない奴」

綾香が植えつけられそうになっていた殺人の記憶。それは、守谷の指示を受けて田島純子を殺した女性・S.A(堀田真由)が、1999年12月13日に語ったものだった。

S.A「迷いなんかありません、“あの方”が私の進むべき道を決めてくれたので」

S.A「私、人を殺したんです。“あの方”に命じられて」

ビデオテープにおさめられたS.Aの殺人の告白。色の薄い映像の中で「“あの方”=守谷」について話すS.Aの、罪の意識がないうっとりとした表情。第3話に登場した、地面師詐欺に協力していた市川(伊藤歩)も、守谷に心酔していた。

市川「守谷は、人間とは何かを知ってる。私は守谷のためだったら、何だってできる」(第3話より)

若い女性たちが惹かれる守谷という人物。2016年のドラマ『IQ246〜華麗なる事件簿〜』(TBS系)では、モリアーティにあたる人物は「マリア・T/森本朋美(中谷美紀)」と女性だった。第3話の時点では、『シャーロック』のモリアーティも女性か? とも考えてみていた。しかし、6話で明かされた「守谷壬三」という名前からして男性の可能性が高そうだ。しかも、20年前にはすでに殺人を犯させるほど暗躍していた。

ちなみに、『IQ246〜華麗なる事件簿〜』にも、シャーロックにあたる法門寺沙羅駆(織田裕二)の秘書・89代目賢正という役でディーン・フジオカが出演していた。ディーンにとっては、シャーロック由来ドラマは二作目ということになる。

市川の心酔が恍惚としていてどこか性や恋愛的な慕情を思わせたのに対し、S.Aの語り口は教祖や神様を信じる敬虔な信者のようだった。守谷の人を惹き付ける魅力や力は、ひとつではないのかもしれない。となると、いったいどんな俳優が守谷を演じるのか、期待が高まってしまう。

今夜放送の第7話では、「少年シャーロック」が登場。獅子雄のこども時代というわけではなく、羽佐間虎夫(山城琉飛)という少年が獅子雄と若宮を訪ねてくるようだ。

(むらたえりか)

=配信サイト=
FOD:https://fod.fujitv.co.jp/s/genre/drama/ser4l20/
TVer:https://tver.jp/corner/f0040635

=作品情報=
『シャーロック:アントールドストーリーズ』(フジテレビ系)
10月7日(月)スタート 毎週月曜21:00〜21:54
出演:ディーン・フジオカ、岩田剛典、山田真歩、ゆうたろう、佐々木蔵之介ほか
原作:アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ』シリーズ
脚本:井上由美子
プロデュース:太田大
音楽:菅野祐悟
オープニングテーマ:DEAN FUJIOKA「Searching For The Ghost」(A-Sketch)
主題歌:DEAN FUJIOKA「Shelly」(A-Sketch)
演出:西谷弘、野田悠介、永山耕三
制作著作:フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/sherlock/

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