ディーン・フジオカ「シャーロック」2話「モンクリ」「ハイロー」ファン嬉しい。ディーンが笑う罪人の本質

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若宮「あんたの助手なんかもうできない! 彼女に何かあったらどうすんだよ!」
獅子雄「その前に、助ければ?」

10月14日(月)放送のドラマ『シャーロック』(フジテレビ系)第2話。2018年のディーン・フジオカ主演ドラマ『モンテ・クリスト伯─華麗なる復讐─』(フジテレビ系)ファンや、岩田剛典出演の『HiGH &LOW』シリーズなどのファンが嬉しい要素が満載。かつ、推理ものとしてもヒューマンドラマとしても徐々に深くなっていく。

ファンとドラマの間口を広げる「連続性」


第2話のモチーフは、『シャーロック・ホームズ』シリーズの『ボヘミアの醜聞』に登場した「ダーリントンの替え玉事件」。今回は、ホームズを唯一出し抜いた女性として登場するアイリーン・アドラーから着想されたであろう、青木藍子(菅野美穂)という弁護士が登場した。

新宿駅で電車に轢かれて亡くなった女性・高橋博美。免許証などから身元がわかっているにも関わらず、遺体には身元不明者につける遺体番号がつけられていた。血液型が一致しないのだ。誉獅子雄(ディーン・フジオカ)は、若宮潤一(岩田剛典)とともに、高橋博美は誰なのかを調べていく。

藍子の弁護士事務所で働くアルバイトの女性・河本美沙を、岸井ゆきのが演じている。『モンテ・クリスト伯』で岸井は、主人公と物語に希望を残す若者のひとり、入間未蘭を演じた。美沙は、借金を重ねていたところを藍子に助けられたという、自嘲してしまうほど情けない過去を持っている。しかし、藍子に感謝し信じる純粋さを持ち合わせる人物だ。

新宿駅で亡くなった高橋博美は、別の女性・山下佐和子(三浦透子)が成り代わったものだった。佐和子は、兄が両親を殺したためにマスコミに追われ、人生を投げ出したくなっていたところを藍子に助けられた過去を持つ。佐和子の兄を演じたのは、『モンクリ』では主人公の協力者で借金の取り立て人・天野満役だった柳俊太郎だ。

ディーン・フジオカが主演を務める海外古典シリーズは、固定ファンをしっかりと掴んでいる。1話では、獅子雄が船に乗って登場するシーンに、「『モンクリ』のオマージュでは」とSNSでファンが喜んでいる様子が見られた。『モンクリ』や『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』(フジテレビ系)などに登場した俳優を、今作でも見られることは嬉しい。

また、獅子雄に助手と呼ばれるようになった若宮は、ホンダのCB400Fourというバイクに乗っている。移動のときには獅子雄とのタンデムが定番となるようだ。若宮を演じている岩田剛典は、2015年に『HiGH&LOW』シリーズのためにバイクの免許を取得した(参考:https://mdpr.jp/news/detail/1535246)。現在、同シリーズのスピンオフ映画『HiGH &LOW THE WORST』が公開中だが、岩田の新規出演シーンはない。こうして別作品でバイクを乗り回す岩田を見られるのは、“ハイロー新規(『HiGH&LOW』からの岩田ファン)”としてもありがたい。

言うまでもなく、『シャーロック・ホームズ』シリーズには多くの原作ファンがいる。本作は「アントールドストーリーズ」という切り口で、深い原作ファンを意識しながらも新しい物語を作り出している。さらに、『モンクリ』やディーン、岩田ら、過去作や俳優陣が好きで見る層が気づいて嬉しい要素も盛り込み、間口をグッと広げている。

1話で登場した獅子雄の針金の指輪が、2話では美沙を助けるための緊迫したシーンで使われていた。今回登場した獅子雄の変声器も、次回以降で活躍するのかもしれない。本編、他作品を問わず、小ネタとして「連続性」を多用していることは、ワクワクとさせてくれる本作の特長のひとつとなっている。

獅子雄が笑う「罪びとの美しさ」


博美「私、知ってる。あんた、優しい顔しながら人の不幸を利用して笑いたいだけでしょ。褒められたいだけでしょう。偽善者じゃん、偽物じゃん。笑っちゃう」

本物の高橋博美(未来)は、藍子が過去に担当した不倫の和解交渉のクライアントだった。「偽物」という言われたくない一言を聞き、藍子はとっさに博美を殺してしまう。そして、彼女の戸籍を佐和子にあてがったのだった。

獅子雄「なあ、偽物でも別にいいんじゃない。本物だろうがなかろうが、あんたに救われてきた人はいるんだろう」
藍子「はっ! いないわ、そんなもん。虫けらでも助ければ、少しは私も救われるかと思ったけど。知らない? 虫けらって、人に甘い顔をされたら最後まで蜜を吸いつくす害虫になるの。母とか、あの女みたいにね。人は自分で立ち直るしかないのよ」
獅子雄「はっはは、やっぱ面白いなあんた。もっともらしい顔で『人を救いたい』とか言っているときより、よっぽど美しい」

獅子雄に真実を暴かれた藍子は、目に涙を溜めながら話す。藍子の本質を示す「人は自分で立ち直るしかないのよ」という言葉を聞いた獅子雄。光の加減かもしれないが、そのとき獅子雄の瞳も少しだけ濡れているように見えた。興奮のためか憐れみのためか、その感情はまだわからない。

ただ、本性を表した藍子にかけた「美しい」という言葉から、獅子雄は人間の本質・本性のような部分が見たいようだということが、うっすらとわかってきた。そういえば、1話で汀子(松本まりか)が罪を暴かれ、熱湯をぶちまけたときも獅子雄は嬉しそうに笑っていたのだ(そして、若宮は2話連続で熱い液体をかけられている)。

獅子雄が何のために事件を追っているのか、獅子雄自身がその動機を理解しているかはまだわからない。日々を音声入力で記録している若宮のほうが、獅子雄の本質を理解することになる可能性もある。

新宿駅、都庁、新宿中央公園、浅草、スカイツリーと、東京を象徴するビビットな街のシーンが印象的な本作。こんな街なかで撮影できるんだ、という驚きもある。連続性、本質、美しさと驚き、次は何を見せてくれるかと期待が高まる3話は、今夜9時から放送予定だ。
(むらたえりか)

=配信サイト=
FOD:https://fod.fujitv.co.jp/s/genre/drama/ser4l20/
TVer:https://tver.jp/corner/f0040635

=作品情報=
『シャーロック:アントールドストーリーズ』(フジテレビ系)
10月7日(月)スタート 毎週月曜21:00〜21:54
出演:ディーン・フジオカ、岩田剛典、山田真歩、ゆうたろう、佐々木蔵之介ほか
原作:アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ』シリーズ
脚本:井上由美子
プロデュース:太田大
音楽:菅野祐悟
オープニングテーマ:DEAN FUJIOKA「Searching For The Ghost」(A-Sketch)
主題歌:DEAN FUJIOKA「Shelly」(A-Sketch)
演出:西谷弘、野田悠介、永山耕三
制作著作:フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/sherlock/

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