医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩と五十肩の違い>「急性期と慢性期の過ごし方が完治の鍵」

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 高い場所の物を取ろうとしたら、肩に激痛が‥‥。「もしかして四十肩か五十肩?」と不安になる人も多いだろう。中高年に多く見られる典型的な肩の痛みが「四十肩・五十肩」だ。

 そもそも「四十肩・五十肩」は、名前のとおり、症状が40代で出れば「四十肩」、50代で出れば「五十肩」と呼ばれていて、両者に違いはない。実際には40代から60代まで、幅広く見られ、医学的に「肩関節周囲炎」と言われている。

 その症状のほとんどは、片側の肩のみに異状が現れるが、まれに発症後、しばらくして、もう片方にも発症する場合がある。ひどい場合には、肩を動かすたびに腕や手先にも痛みが伝わるようになっていく。

 急激な痛みの場合も、数日間~2週間程度で症状は治まる。この急性期には、とにかく無理に肩を動かさず、安静にすることが大切だ。さらに注意すべきは痛みが治まる一方、徐々に鈍い痛みに変わってくる「慢性期」である。

 この時期は、痛いからといって肩を動かさずにいると、肩の筋肉が萎縮して、さらに動かなくなってしまうため、積極的に肩を動かすことを心がけて。

 痛みがひどい時には、肩を温めたり、市販の湿布薬を塗る、ストレッチをする、など血行をよくすることも効果がある。ただし、それでも治まらない時は、早めに整形外科を受診して、関節へのヒアルロン酸やキシロカインの注射で治療することも必要になってくる。

「四十肩・五十肩」は一度発症すると、もとの状態に戻るには通常1年前後かかると言われている。しかも、どこまで治るかは本人のリハビリしだい。

 ちなみに、四十肩・五十肩は健康保険で鍼治療が受けられるので、これをうまく取り入れるのもお勧めだ。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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