「なつぞら」17話「奥様封筒」を受け取って何が悪いと開き直る泰樹(草刈正雄)

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連続テレビ小説「なつぞら」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~

第3週「なつよ、これが青春だ」17話(4月19日・金 放送 演出・木村隆文)視聴記録


奥様封筒
農協が牛乳販売を一手に引受け、メーカーに安く叩かれている小さな酪農家を助けようとするが、泰樹(草刈正雄)の牧場は潤っているのでそういうやり方を承知しない。
ひとりで開拓して生きてきた泰樹は独立独歩だけれど、世の中には強者も弱者も平等にという意識をもっている人もいる。
夕見子(福地桃子)は「自由を求める女」とか言っているし、柴田家は基本、ひとはひと、自分は自分主義なのかも。ただし、夕見子はまだ「自由」の意味を真に理解しているとはいえない頭でっかちなだけであろう。

個人主義も共生もどちらのやり方も一長一短で、「なつぞら」はそのどちらか一方を良いとおすすめしているわけではなさそうだ。
なつは、倉田先生(柄本佑)と農協に話を聞きに行き、農協の考え方のほうが正しいと思いはじめるが、ことはそんなに簡単ではない。
昔からの慣習となっていたメーカーが酪農家にわたす「奥様封筒」と言われるお金に関しても、
「きれいごとだけで家族を守れるか」と言う泰樹を、
「汚いことはやめましょうよ」と剛男(藤木直人)は咎める。
どうやら過去、こういうある意味助け合い(ぶっちゃけると「わいろ」)が行われていて、柴田家も助かっていたことがあるようで。
それが悪いことだとは決して思わない泰樹は声を荒げ家のなかで孤立してしまう。
夕食の席に表れない泰樹に、言い過ぎたと反省する剛男となつに対して、富士子は「開拓一世はしぶといのよ」とあまり気にしていない様子だ。
実際、泰樹は自室にこもりおまんじゅうを食べながら「お茶がほしい」と2回つぶやいていた。
ここにはホッとした。

それにしても「奥様封筒」というネーミングが絶妙だ。「奥様」という響きに“内緒”感がある。
「それは奥様封筒と呼ばれるものですね」とふと表れて指摘する剛男が探偵みたいに見えた。

北海道の美しい風景、味しい食べ物、アニメ、見目麗しい俳優たち……と夢いっぱいな感じのようで、なかなかシビアーで生々しいお金問題が描かれる17回。
「百姓はもともと値段を考証したりすることはあまり得意ではない」と菊介(音尾琢真)が言ったとき、
「百姓」と「フリーライター」を置き換えても成立しそうだと思ってしまった。

柴田家
柴田家の食卓に家族が集っているところを見ると、柴田家のひとたちは主として面長輪郭、痩せ型、高身長の美形一家で、なつだけ輪郭が丸くて(というか顔は小さいけど前後に奥行きのある骨格をしている)、そこで血のつながっていない感じを出しているのかもと思う。
しゅっと成長した照男の清原翔が、藤木直人と松嶋菜々子の子供といっておかしくない感じがする。こんなに垢抜けた青年が十勝に。なんという逸材とスカウトが来そうだけれど、そんな彼が柴田家の跡取りとして酪農に励むというのも面白いと思う。
夕見子役の福地桃子の面長の輪郭は整って美しい。あくせく労働しないで勉強して理屈をこね回しているつんとした女の子という感じがよく出ている彼女が哀川翔の娘というから驚いた。清楚で演技もしっかりしている美少女。これからに期待である。

連続テレビ小説 なつぞら Part1 (NHKドラマ・ガイド)

登場人物とキャスト 登場順


奥原なつ 広瀬すず 幼少期 粟野咲莉…主人公。戦争で父母を亡くし、兄と妹と別れ、剛男に連れられて北海道に引き取られてきた。生活を保障してもらう代わりに酪農の手伝いをする。父の描いた家族の絵を大切にもっている。生きるために感情を押し殺してきたが、柴田家、とりわけ泰樹と触れ合うことで、素直に感情を出せるようになっていく。これからは酪農の時代だと考え、十勝農業高校で学んでいる。
佐々岡信哉 工藤阿須加 幼少期 三谷麟太郎…空襲のとき、なつを助ける。
柴田剛男 藤木直人…柴田家の婿養子。なつの父の戦友で、戦災孤児となったなつを十勝に連れて来た。妻を「ふじこちゃん」と呼ぶときがある。1955年時点では音問別農協組合で働いている。
柴田富士子 松嶋菜々子…剛男の妻。開拓で苦労してきたので、ひとに優しい。
柴田照男 清原翔(13 回から) 幼少期 岡島遼太郎…柴田家長男。搾乳をさせてもらえない代わりに薪割りを頑張っていたが、なつが来たことを機にようやく搾乳させてもらえた。
柴田夕見子 福地桃子(13回から)幼少期 荒川梨杏…柴田家長女。勉強が好き。牛乳嫌い。同い年のなつに嫉妬を覚えたが、剛男に説得されてなつを受け入れる。
柴田明美 平尾菜々花(13回から) 幼少期 吉田萌果…柴田家次女。
柴田泰樹 草刈正雄…柴田家当主。頑固者で幼いなつにも容赦なく厳しく接するが、意地悪ではなく、彼の人生哲学に基づいたもの。他人に頼らず己の力で人生を切り拓くことを心情としている。甘いものが好き。
奥原咲太郎 幼少期 渡邉蒼…なつの兄。タップダンスが得意で、米兵にかわいがられていた。孤児院にいる。
奥原千遥 幼少期 田中乃愛…なつの妹。親戚に引き取られている。

2回
焼け跡にいたおばあさん北林早苗…情にほだされなつたちに食べ物を分ける。演じている北林は朝ドラ第1作め「娘と私」の娘・麻里の少女時代役を演じた。
戸村悠吉小林隆…柴田牧場で働いている。貧しい開拓団の八男に生まれ、幼い頃に奉公に出され、泰樹に世話になった恩を感じて尽している。
戸村菊介音尾琢真…悠吉の息子。嫁募集中。

4回
小畑とよ 高畑淳子…帯広在住。泰樹の昔なじみ。口の減らない元気な人。
小畑雪之助 安田顕…とよの息子。菓子店・雪月の店主。菓子作りに情熱を注ぐ。
小畑妙子 仙道敦子…雪之助の妻。
小畑雪次郎 山田裕貴(13回から登場) 幼少期 吉成翔太郎…雪之助、妙子の長男。十勝農業高校に通っている。

5回
山田天陽 吉沢亮 幼少期 荒井雄斗…音問別小学校でなつと同級生になる。東京からやって来た。絵が上手。馬が好き。
大作 増田怜雄…音問別小学校の生徒。
実幸 鈴木翼…音問別小学校の生徒。
さち 伍藤はのん…音問別小学校の生徒。
山田正治 戸次重幸…天陽の父。東京から北海道にやって来たが土地が悪く、農業ができず、郵便局で働いている。泰樹の協力を得て、土地を蘇らせる。

8回
山田陽平 市村涼風…天陽の兄。絵がうまい。

9回
なつの父 内村光良…日本橋で料理人をしていた。絵が上手。家族のことを思いながら戦死した。

10回
花村和子 岩崎ひろみ…音問別小学校の教師。 
校長先生 大塚洋…音問別小学校の校長先生。
山田タミ 小林綾子…天陽の母。

13回
居村良子 富田望生…十勝農業高校の生徒。
村松 近江谷太朗…十勝農業高校の先生。
倉田隆一 柄本佑…十勝農業高校の国語の先生。

14回
田辺政人 宇梶剛士…音問別農協組合組合長。農協で一手に酪農事業をとりまとめ十勝を酪農王国にしたいと考えている。 

村松…柴田牧場と長い付き合いのあるメーカーの人物。奥様封筒をもってくる。

脚本:大森寿美男
演出:木村隆文 田中正ほか
音楽:橋本由香利
キャスト:広瀬すず 松嶋菜々子 藤木直人 岡田将生 比嘉愛未 工藤阿須加 吉沢亮 安田顕 仙道敦子 音尾琢真 戸次重幸 山口智子 柄本佑 小林綾子 高畑淳子 草刈正雄ほか
語り:内村光良
主題歌:スピッツ「優しいあの子」
題字:刈谷仁美
タイトルバック:刈谷仁美  舘野仁美 藤野真里 秋山健太郎 今泉ひろみ 泉津井陽一
アニメーション時代考証:小田部羊一 
アニメーション監修:舘野仁美
アニメーション制作:ササユリ 東映アニメーション

制作統括:磯智明 福岡利武
(木俣冬)

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