NGT山口暴行を生んだAKB商法の構造的危険性…“直接接触”を売りにファンの多額出費を助長

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 新潟に拠点を置くアイドルグループ・NGT48の山口真帆さんが、男性2人から暴行被害を受けたことをSNSで告発し、波紋を広げている。AKBグループ運営元は謝罪し、NGTの運営体制を刷新する旨を発表したが、メンバーの多くが心身の不調を訴え、通常の公演活動を行えない状況が続いている。

 この事件の背景には、2014年に岩手県で発生したAKB48握手会傷害事件と同様に、「会いに行けるアイドル」というキャッチフレーズでメンバーとの距離の近さを強調し、ファンの恋愛幻想をかき立てるAKB商法の構造的問題があるように見える。

 そもそも、アイドルというのは“疑似恋愛”の対象である。だから、熱愛報道や結婚発表によって人気が落ちるわけで、アイドルの恋愛や結婚に所属事務所が反対するのは当然だろう。

 もっとも、通常はあくまでも“疑似恋愛”にすぎない。いくらファンが恋い焦がれても、公演で声援を送ったり、ファンクラブで交流したりするのが関の山で、接触は制限されている。いや、むしろ接触を制限することによって、アイドルの身を守ると同時にその価値を高めるのが所属事務所の役割だと私は思う。

●罪深いAKB商法

 ところが、AKB商法は、“疑似恋愛”の対象だったアイドルを“接触可能”に変えた。握手会での“直接接触”を売り物に、握手券付きCDを売りまくったのだ。とくにNGT48は、CDなどの購入特典に「メンバーと一緒にボウリングができる権利」があるそうで(「 FRIDAY」<講談社/2月1日号>より)、ファンとの距離が非常に近いという印象を受ける。

 これだけ距離が近かったら、“疑似恋愛”を現実のものにできるのではないかと恋愛幻想をふくらませるファンがいても不思議ではない。実際、プライベートで接触しようとして次第に暴走するファンもいるようだ。

 こうしたファン心理にさらに拍車をかけたのが、NGT48の人気メンバーである中井りかさんがファンの1人のイケメン男性と半同棲していると昨年6月の総選挙当日に「週刊文春デジタル」で報じられたことだ。

 この男性は、「週刊文春」(文藝春秋/1月24日号)によれば、定職に就いておらず、アイドルと交際するために“接触活動”を続けている「アイドルハンター」らしい。こういう男性が実際にアイドルと交際し、半同棲までできたと知って、ファンはどう思っただろうか。「自分にもチャンスがあるかもしれない」と考えて恋愛幻想を一層ふくらませ、“接触活動”に精を出すようになったファンが多いに違いない。

 問題は、この“接触活動”にファンが多額の金を使うことである。握手会で“推しメン”のレーンに頻繁に並ぶにも、“推しメン”に認知してもらうためにライブに通い詰めるにも、多額の金がかかる。こういうファンは、運営元からすれば、大金を落としてくれる上客だ。だから、他のファンやメンバーが苦情を申し立てても、運営元は厳しく対処せず、見て見ぬふりをしていたのではないか。それが積み重なれば、ファンは「少々のことは許される」と思うはずで、“接触活動”の暴走につながりやすい。

 CDが売れない御時世に、握手券を付けて売るAKB商法を編み出した秋元康氏はさすがのアイデアマンだが、ファンの恋愛幻想をかき立てることによってメンバーを危険にさらしているという認識を持つべきである。そのうえで、同様の事件が二度と起こらぬようにきちんと対処していただきたい。
(文=片田珠美/精神科医)

  • 1/20 19:00
  • Business Journal

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この記事のみんなのコメント

22
  • とりあえず誰でも自由に書き込めるから読む人のことまで考える必要はないんだろうけど、読みにくい人のは解読するの大変。

  • ヤン中佐

    1/27 15:08

    不正行為というのは出稼ぎのカスが正規の手続きを踏まずに行うタクシー運転業務のことだよ。書き込む前に日本語の勉強しようね。

  • 南 光太郎

    1/27 15:04

    そうでしたか…。こんなのがファンな訳ないですよね。

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