人気バーチャルライバー樋口楓が語る1stライブ「絶対に大阪の会場でやりたかった」

2018年の『ネット流行語大賞』で金賞に選ばれた「バーチャル YouTuber(VTuber)」
その活躍のフィールドは、「YouTube」を始めとしたネット上の配信サイトに留まらず、TV、ゲームなど、さまざまなメディアにも進出している。
「にじさんじプロジェクト」所属のVTuber(通称「バーチャルライバー」)である“でろーん”こと樋口楓も、2018年のVTuberの隆盛を牽引した一人。笑い上戸で明るく気取らない性格や高いトークスキルで、グループ内に留まらず、企業などの枠も越えたVTuber同士のコラボを次々と大成功させていった。

そんな、でろーんのもう一つの魅力が高い歌唱力。
1月12日(土)には、初めてのソロライブ「Kaede Higuchi 1st Live “KANA-DERO”」がZepp Osaka Baysideで開催される。その注目度も高く、前売りチケットは完売。現在はニコニコ生放送での配信を視聴可能なネットチケットが発売中だ。
※販売サイトのリンクはこちら

エキレビ!では、地元のバーチャル関西とバーチャル東京を行き来しながら、初のソロライブに向けて慌ただしい日々を過ごすでろーんへのインタビューを実施。音楽活動についてはもちろん、まもなくデビュー1周年を迎えるバーチャルライバー活動全般についても振り返ってもらった。

この1年で、何も無かった私も自信や勇気を持つことができた


──樋口さんがバーチャルライバーとしてTwitterで最初の投稿をしたのが2018年の1月31日、YouTubeに最初の自己紹介動画を投稿したのは2月8日でした。まもなく、デビュー一周年を迎えますが、この約11か月間で特に大きな変化を感じたことを教えて下さい。

樋口 私は、小学生の頃からずっとトランペットを吹く部活に入っているんですけれど、「にじさんじ」も部活みたいな団体だと思っていて。他のライバーたちは、同じ楽器をやっている仲間みたいな感覚なんです。そうやって刺激し合える仲間がたくさんいるという環境が私にすごく合っていた気がします。ライバー同士の関わりや、リスナーさんの応援があったからこそ、それまで本当にトランペットしか吹いてこなくて、何も無かった私でも、自信や勇気を持つことができたのかなって。そんな1年でした。

──ライバー同士の仲の良さやコラボの多さは、にじさんじプロジェクトの魅力の一つですが、1期生だった樋口さんがデビューした時点では、当然、そういったイメージもまだ無かったと思います。

樋口 私もオーディションに合格した当時は、大勢のトランペット奏者がトランペットのソロパートを取り合うような団体だと思っていたので、みんなピリピリしているのかなと想像していたんです。でも、せっかくグループなのだから、繋がりのあるところをリスナーさんに見てもらいたいなと思って。各自の初配信が終わり、少し落ち着いてから1期生出身のみんなに声をかけて、コラボをしたりしていきました。私は、そういったコラボを率先して始めた中の一人だと思うのですが、みんなと話してみたら、この先一人で配信をやっていきたいと思っている人はいなくて。みんな、部活みたいに助け合っていこうという精神が強かったんです。最初、1人ずつでやろうとしていたのは、「みんな恥ずかしかっただけか〜…」みたいな(笑)。だから、ここは私の好きな事ができる場所なんだなと思いました。

──最初の自己紹介動画で「いつか生ライブをしたい」と仰っていますが、「歌を歌う」ことは、バーチャルライバーになる前から、特にやりたいことだったのですか?

樋口 アイドル声優さんが好きで。ライブやファンミーティングに行って、歌って踊っている姿を良く見ていたので、「いつかこんな風に輝けたら良いな」と憧れてはいましたが、叶いようがないことだとも同時に思っていました。でも、とりあえず自己紹介で言っておけば、いつか叶うかもしれないし、声に出しておこうと思ったんです。元々、歌う事は好きでしたが、それに一番興味があったという感じでも無くて。配信ではインターネットと画面を通してじゃないとリスナーさんと一緒の時間をすごせないので、リスナーさんのいる3次元の世界に行って、同じ空気感や出来事を経験したいという思いが一番大きかったです。だから、(その時点では)歌を歌うだけのライブというよりは、いつかリアルイベントをやって、そこで歌ったり踊ったりできたらな、というふわふわした感覚でした。

──樋口さんは、カラオケにはほとんど行かないそうですが、普段はどこで歌を歌っていたのですか?

樋口 小さい頃からずっとお風呂で歌っていました。部屋で歌ったら、家族にうるさいと言われるので(笑)。カラオケへ行くのは部活の打ち上げとかだけなので、年に2回くらいです。

──どんな歌を聴いたり歌ったりしてきたのですか?

樋口 アニメのオープニングとエンディングから入って、声優さんという存在を知り、声優さんの歌うキャラクターソングも聴くようになりました。そこからどんどん広がっていった感じです。一番最初に観た声優さんのライブは『極上生徒会』のイベントの映像で。DVDの5巻に映像特典として収録されていたんです。その動画を観た時に「声優さんって、すごい!」と思いました。その後、ずっと聴いていたのは『ラブライブ!』シリーズの曲ですね。

「私にも個性があったんだ!」と思いました


──トランペットを小さい頃からやっていたのは、ご両親の影響ですか?

樋口 お父さんとお母さんがドラムをやっていて。私も3歳くらいからピアノを始めました。でも、(小学生になって)トランペットを始めたらピアノが弾けなくなってしまって。トランペットに移行した感じです。

──トランペットを始めたことで、ピアノに悪影響が?

樋口 トランペットとピアノは譜面が違うんですよね。ピアノはC管で、Bb管のトランペットとは音域が違うので頭の中がごちゃごちゃになっちゃって、弾けなくなったんです(笑)。

──歌うことや、自分の歌を誰かに聴いてもらうことに対する意識は、バーチャルライバーとしての活動を通して変化していったのですか?

樋口 最初、ファンの方が作って下さった曲を歌って動画にして投稿した時も、自分の歌を聴いて欲しかったというよりは恩返しというか……。歌を作っていただけたことが嬉しかったので、歌わせて頂きたいという気持ちでした。イラストを描いていただいても、私にはイラストでお返事することはできないのですが、歌だったら、歌うことでお返事できると思ったので。

──普通に生きていると、誰かが自分のための曲を作ってくれる機会なんてないと思うのですが。3月21日の夜から22日の朝にかけて、『Harmony!!』『Maple』『放課後Melty』と、3曲も樋口さんをイメージしたオリジナル曲が、別々のファンによって投稿されました。その時のお気持ちは?

樋口 「え? なんで、私の曲が作れるんだろう?」「私にも個性があったんだ!」と思いました。

──ファンから「また、でろーんの闇が」とか言われそうな発言ですけれど(笑)。

樋口 あはは(笑)。

──自分が気づいてなかった個性を見つけてくれたといった感覚ですか?

樋口 そうですね。「私のことをちゃんと観て下さっている方がこんなにもいるんだ!」と驚いたし、嬉しかったです。

──歌ってみた動画を投稿したことで、多くの人から「でろーん、歌うまい!」といった感想も届いたと思います。その時の気持ちは?

樋口 う〜ん……。もっと上手くならないといけないな、と思いました。「歌、上手いね」といったコメントはもちろん嬉しかったのですが、そういうコメントの20分の1くらいの割合で「もっと上手くならないとね」というコメントもあって。私は、そっちのコメントの方が目に入るタイプなので。今の自分の100%を出し切ったつもりでしたが、評価されないところがあるのだったら、そこを改善していかないと、という気持ちの方が大きかったです。せっかく作っていただいた曲なので。

──上達のためにどのような練習を?

樋口 部活で、「上手く行かない時は、上手い奏者の音源を聴いてイメトレすることが大切」と教わっていたので、歌も同じように、作っていただいたオリジナルソングに似た曲調の曲を聴いて。「こんな感じで歌うんだ」と雰囲気をつかんだりしながら歌いました。

絶対に大阪の会場でやりたいとは、最初から言っていた


──初めてのソロライブ「Kaede Higuchi 1st Live “KANA-DERO”」が開催できると聞いた時の心境などを教えて下さい。

樋口 同じ、にじさんじのライバーの(月ノ)美兎ちゃんのイベント「みと夏」(月ノ美兎の夏休み〜課外授業編〜)にゲストで出させてもらったんですけれど。打ち合わせの時、スタッフさんから「何月何日、会場が空いてるそうだけど、ライブやる?」みたいな感じで軽く聞かれたのが始まりでした。私も「空いてるなら、ぜひ」みたいな感じで答えたんですけれど、その時に予定していた箱(会場)はもっと小さかったんです。だから、そこまで緊張はしていなかったのですが、その後、会場がZepp Osaka Baysideに変更になって。「もっと気合いを入れなあかん!」という気持ちになりました。

──ライブの開催が発表された時には、ファンの人たちもすごく喜んでくれたのでは?

樋口 喜んでくださる方が多くて、それはとても嬉しかったです。でも、私はやっぱり、「樋口がこのデカい箱でやるのか」みたいなコメントの方が気になってしまって。そう思っている人からも、良いライブだと思ってもらうためにはどうすれば良いのかな、ということをずっと考えています。

──これは悪い意味では無いのですが、ファーストライブの会場がZeppというのは、たしかに大きいですよね。

樋口 そうなんですよ。最初、「Zeppでライブできたら、もう引退してもええわ」くらいのノリで「やりたい」と言ってたら、本当にZeppになっちゃって(笑)。もう、やるしかないって気持ちです。会場のZepp Osaka Baysideには、1回だけ行ったことがあって。めっちゃ広いという印象はありました。あと、キズナアイさんが年末にライブ(「Kizuna AI 1st Live “hello, world”」)をやられていたじゃないですか。あのライブをニコニコの生配信で観ていたら、改めてメチャクチャ広いなと思って。私の中では、その時から緊張感が高まりました(笑)。

──ライブに関して、スタッフさんにリクエストしたことはありますか?

樋口 絶対に大阪の会場でやりたいというのは、最初の頃から言ってました。内容に関しても、かなりリクエストはしていると思います。セトリ(セットリスト)も私が決めているし、ライブの演出についても半分くらいは決めさせてもらいました。だから、本当に私がやりたいことをやらせてもらっている感じです。

──どのような方針でセットリストを決めたのか教えて下さい。

樋口 最初に考えたのは、ファンの方が作って下さった曲を何曲歌わせていただくかということでした。本当は全部歌わせていただきたかったんですけれど、時間的な限界があるし、ワンコーラスしか作って頂いていない曲もあったりしたので。その中で、どの曲を歌わせていただくかはすごく悩みました。本当にどれも大切な曲なので、(選ぶのは)厳しかったのですが、特に私自身を表現して下さっている曲や、歌わせていただいた瞬間、「あ、これは絶対にライブで歌いたい」と思った曲を中心にセットリストを組ませていただきました。今回は歌えない曲も、ぜひ別の形で歌わせていただけたらと思っています!

──セットリストは当然まだ発表されていないのですが、樋口さんの配信中の発言などから、「この曲は入ってそうだな」と推測できる曲が数曲ありまして……。

樋口 あはは(笑)。

──それらの曲についての思いや収録時のエピソードなどを伺えればと思うのですが。まずは、“KANA-DERO”というライブタイトルからしても可能性が高そうな『奏でろ音楽!!!』について教えて下さい。この曲は6月に1番だけ歌った動画が公開されていたのですが、12月にはフルコーラスバージョンも公開されましたね。

樋口 最初に1コーラスだけ歌った動画を公開した後、ファンの方が歌詞やメロディーの進行などについて、すごく深く考察をしてくださったんですよ。私は、そのレビューを見て、「ああ、こんなにも深い意味があったんだ!」と思ったんです。

──樋口さんは、そのことには気づかずに歌っていた?

樋口 はい。歌詞の中にはけっこうメタい表現もあったりしたのですが、私は全然気づいてなくて(笑)。歌詞をそのまま辞書で引いたようなストレートな意味を想像しながら歌っていました。だから、皆さんの考察を読んだ時は新たな気付きも多くて。後日フルを歌った時には、「いつか終わっちゃうかもしれないけれど、みんなと一緒に奏でていきたい」という気持ちで歌いました。あと、フルのバージョンではトランペットソロも吹かせていただいています。
(丸本大輔)

後編に続く

≪開催概要≫
「Kaede Higuchi 1st Live “KANA-DERO”」
【日程】  2019年1月12日(土)
【開場】  16:00
【開演】  17:00
【会場】  Zepp Osaka Bayside
【出演】  樋口楓
【ゲスト】 月ノ美兎、静凛、える
【バンド】 Deroon5(KLab Sound Team)

【ネットチケット販売中】
https://secure.live.nicovideo.jp/event/KANA-DERO

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