ハエの卵の涙を流す遺体も…! 日本で初めて「樹海の真ん中を歩いた男」村田らむ、樹海インタビュー!

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 青木ヶ原樹海は、今から1200年前、富士山の噴火で流れ出た溶岩の上に誕生した森である。富士の裾野に広がる樹海は、自殺の名所として名高く、都市伝説に覆われた謎の森であった。近年ではハリウッド映画の題材にもなり、最近では海外の人気YouTuberにより「樹海の死体」拡散事件もあった注目度の高い場所である。このように、世界中の関心を集める吸引力を持つ樹海を20年以上も自分の足で歩き、潜入取材をしてきた漫画家・ライターの村田らむ氏は、樹海を知り尽くした第一人者である。

 そんな村田氏がこのほど『樹海考』(晶文社)を上梓した。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2018/07/post_17623_entry.html】

 村田氏は、ホームレスや新興宗教などといった危険でディープな場所に体験・潜入取材を得意としてきた。まさに命を張った体当たりの表現者といっても良いだろう。7月27日発売された新刊『樹海考』は、樹海の成り立ちから歴史、都市伝説、観光、探索方法、そして樹海のなかの自殺した死体のことまで、樹海の表から裏まですべてを網羅した貴重な一冊である。出版記念インタビュー第1回では、村田氏に樹海の謎や自殺死体のこと、そして樹海に100回以上足を運んだ村田氏でしか語れない味わい深い樹海の魅力を語ってもらった。


■樹海都市伝説を暴きたかった

――樹海探索20年というひとつの大きな区切りとして、今回の『樹海考』を出版されたのですね?

村田らむ氏(以下、村田) まあそうですね。ただ、樹海が今、世界的に盛り上がっているというタイミングもあったということもあります。


――村田さんが樹海に魅せられたきっかけを教えてください。

村田 僕はもともとイラストレーターだったのですが、ライターもやりたいと思っていたんです。ただ、芸能界とかスポーツ業界とかには接点もありませんでした。けれど、樹海は行けばそこにあるものじゃないですか。樹海が取材先として一番行きやすかったのです。なので、ライター業としてほぼ最初の仕事が樹海でした。

 それに、樹海に行ってみたいというのもありました。当時、90年代後半ぐらいは、樹海を怖いものとして扱っている程度で、きっちり取材しているものがなったんです。GPSも今ほど高性能ではない時代でしたからね。多分、樹海の真ん中を歩いて取材したのは僕が初めてでしょうね。


―――何かネタがあれば……という気持ちで樹海に入られたわけですね。

村田 当時は、「樹海ではコンパスが利かなくなる」というような都市伝説がガチで信じられていた時代だったんです。なので、「樹海の謎として語られてることは本当なのか?」というのを実際に検証してみようと思って入りました。


■樹海で幽霊よりも怖いもの

――樹海の中では霊的な現象には遭遇しなかったのですか?

村田 僕はまったくないですね。僕はそもそも霊を信じていないので、幽霊はまったく怖くないけれど樹海では鹿が怖い。

 牝鹿は遭遇すると逃げるんですが、牡鹿はとんでもないスピードで突進して来るんです。ただ、ただ牡鹿もギリギリでは避けるんですが、こっちも避けないと危ないぐらいの距離感で迫ってくる。もしぶつかったらバイクと衝突するぐらいの威力があるので怖いですよ。鹿は危ないことと、樹海は溶岩が崩落して冷え固まって出来た空間だらけで足場が悪いんです。なので、しょっちゅう穴に足を取られる。1人で奥地まで探索して穴に足がズボッと入って最悪骨折でもしたら出られなくなる危険性はありますね。

 あとは、樹海に熊はいないと言われているのですが、どうもいるらしい……。


――樹海に熊が!?

村田 樹海は富士山が噴火した時に流れ出た溶岩層の上にできた森ですから、果実はほとんどないし雑草もほとんど生えない。昆虫も少ないのでそれを餌にする動物も少ないです。でも、うさぎやイタチやネズミといった小動物や鹿はちょいちょい見かけます。ですが、基本的に木の実を食べる熊がわざわざ食料の貧しい樹海までやって来る必要はないと思うんです。樹海の周りの森のほうが、食べ物はたくさんありますからね。ですが、青木ヶ原の周りの山はどこも熊がいます。そこから樹海は地続きなので、樹海に熊がいないとは絶対に言い切れない。

 それに、自殺死体の側に時々、すごく巨大で小動物のものとは思えない糞があったりするんですよね。


■ハエの卵の涙を流す死体

――じゃあ、死体が動物に齧られたあとがあったりするんですね。

村田 食べられていましたね。熊かどうかはわからないですが、イタチもネズミも鳥もいます。死ぬとさまざまな動物に食べられるんですよ。

 死ぬとまず最初に、目からハエが入り込むんです。なので、死体のまぶたがぎょろぎょろ動いているので一瞬、「生きているのか?」と思ったら中にハエが入り込んでいたりします。肌がバリアになって体内に入り込めないので、目、鼻、口、傷口など入りやすい場所から入るんです。そして、中にぐんぐん侵入して卵を産み付ける。死体の目から涙が出ていると思ったらハエの卵が出ていたということがあります。

 それから、野生動物も死体を食べにきます。だいたい内蔵がなくなっていきますよね。

――ハエの卵の涙って白いんですか?

村田 いえ、ちょっと黄色がかっています。そこから蛆がかえって、腐乱が始まるとハエがたかってすごい状態になります。ハエは大量に集まることで熱を出して肉を溶かしていく生き物なのです。そして、蛆は栄養価が高いので、それを蟻が取りにくるのです。なので、死体には、何千何万と蛆が湧いているところにさらに蟻がたかっている。

 死体の目の部分が黒い糸で縫われているように見えるなと思ったら、蟻が行き来していたということがありました(笑)

――村田さんは樹海でこれまでに何体ぐらい死体を見ましたか?

村田 僕は少ないですよ。だいたい20体ぐらいかなあ。でも、死体マニアの人がいて、その人はこれまで70体ぐらい発見しています。


■腐乱死体を見ながら食事をする

――死体マニアの方って、今回の新著にも登場されているKさんというエリート社員の方ですよね。その方が、樹海で発見した腐乱死体を見ながら、腐臭がするなかでご飯を食べるというエピソードが衝撃的でした。

村田 いや、それには理由があるんです。樹海をKさんと一緒に行動するとわかるんですが、死体が見つかるまで一切休憩しないでずーっと歩き回っているんですよ。それに、夕方4時ぐらいに切り上げないと樹海はすぐに暗くなるんで、探索するのにあまり時間がないんですよね。なので、ご飯を食べられる時というのが、死体を発見した時ぐらいなんです。Kさんと一緒に行動していると、僕も死体を見ながら一緒に飯を食っていることも多いですよ(笑)。僕は遺体の残した遺品でも記事として使えるからいいんですが、Kさんは死体にしか興味がなくてですね……。モロの死体は雑誌やネットメディアには載せづらいんです。首吊りロープや遺書の方が、載せやすいんですね。


――死体以外に呪いの藁人形的な変なものとか見つけましたか?

村田 変な仏像とか、神様の写真みたいなのが貼ってあるDVDのケースとか見つけましたよ。昭和30年代のトラックとか、放置車両もありますよね。


――死体は、樹海に入ってどれくらいの地点で見つかるものなのでしょうか?

村田 死体は意外と浅い場所にあります。遊歩道沿いにもありますよ。入ってだいたい200~300メートルの地点で見つかりますね。樹海自体4キロメートル四方なので、そんなに広くないんです。


――自殺死体は首吊りや服毒が主流ですか?

村田 首吊りが9割ですね。あとは服毒。珍しいので言えば、風船用のヘリウムガスのボンベを持って入って、それを吸って死んだ人とかいました。一時は流行した硫化水素自殺している人もいましたね。


――樹海で発見される死体は、何歳ぐらいの人が多いですか?

村田 基本的におっさんが多いですね。中年以降40歳~60歳ぐらい。それ以上高齢になると、樹海に来るのも大変だから少なくなりますよね。1人で自殺しているのがほとんどですが、心中していたのもありましたね。あと、女の人は少ないです。

――それはどうしてでしょうか?

村田 それは、中高年男性の自殺率が高いというのに比例しているのだと思いますよ。珍しいので言えば、ビジュアル系ロックバンドの格好で自殺していた若い男の子がいましたね。
そういった格好で死ぬというのは、ナルシスティックな面があるんでしょうね。近くにクスリがいっぱいあったので、精神的に病んでいたのかもしれませんが。


■死体が見られるおすすめのスポットとは?

――死体マニアの人に樹海以外で「ここに行ったら死体が見られる」というおすすめスポットはありますか?

村田 自殺のスポットというのは、たいがい高低差というか位置エネルギーを利用した場所が多いですよね。なので、崖とか団地とか飛び降りられる箇所が多いです。海外だったら韓国の麻浦大橋、アメリカのゴールデンブリッジとかが有名。そういった場所は、死ぬ確実性は高いのですが誰かに見つかる可能性も高いんですよ。死体は見つかればすぐに撤収されます。

 ですが、首吊りのスポットは、めったにないですよね。普通の山林の中でも首吊りをする人はいますが、その場所を特定して見つけるのはめちゃくちゃ大変だと思います。


――じゃあ自殺死体が集中して見られるといったら樹海となるわけですよね。

村田 首吊りスポットって、世界でも類を見ないと思うのです。青木ヶ原の森は、広いように見えて4キロメートル四方と小さいので発見もしやすいですよね。


――そういえば、自殺者の遺体を回収するために年に1回行われていた樹海の大捜索は、今はどうなっているんですか?

村田 10数年前から、もうとっくにやってないですよ。大捜索の模様をテレビのニュースで報道したりすると、「樹海=自殺名所」という感じで認識されて逆に自殺者がわーっと増えてしまうんです。なので、バカバカしいということでやめてしまったんです。


――絶対に死体の見つからない場所とかがあるとか言われていましたよね。

村田 1993年に発売された『完全自殺マニュアル』(鶴見済著/太田出版)に見つからない場所と紹介されたお陰で、逆にそこがホットスポットになってしまった。なので、死体マニアの間では、そこを探すというのがセオリーになっていました。一時は「1日に3、4体見つかった」ということもあったと聞きましたね。ただ今は、『完全自殺マニュアル』の影響力は小さくなっているので、今はよその場所で見つかることもありますけれど。


■観客が卒倒したり嘔吐したりするイベント「樹海ナイト」

――村田さんは「樹海ナイト」というイベントを定期的に開いているんですよね。

村田 毎年、3、4回やっています。ネタがなくなったらやめようかと思っていたのですが、なんだかんだ言いながら新たな死体が見つかるものだから、続けていますね。今年の9月3日には大阪ロフトプラスワンウエストで、9月19日には阿佐ヶ谷ロフトで樹海ナイトします。毎回、150人ぐらいのキャパの会場に立ち見も出るぐらいの大入り満員のイベントなんです。


――イベントでは、卒倒したり嘔吐したりする人がいるそうですね。

村田 そういう方が何人かいましたね。トイレですごい吐いていたり、その場で倒れたり。あと途中で帰ってしまう人もいます。そういう方が毎回何人かいますが、なぜか全員男性ですよね。女性は死体とかグロいのを見ても意外と平気みたいですね。


■きれいな女は死体好き?

――イベントに来るのは、きれいな女の人が多いみたいですね。

村田 きれいな女の人が多いですね。女の人のほうが死体とかが好きなんだと思いますよ。いわゆるアンダーグラウンドのサブカルチャーにいるサブカル女が好きそうですよね。
いわゆるアングラ好きな女の人は、きれいな人が多かったりするじゃないですか。なので、女性客のほうが圧倒的に多いですよね。


――じゃあ村田さんはモテモテですね(笑)

村田 ところが、イベント終わるとさーっと誰もいなくなってシーンとなるんですよ(笑)。


――死体目当てなんですかねえ。

村田 だから、死体に興味がある人が多いんじゃないかと思って、樹海の死体の写真集を出したんですよ。けれど、作るのにめちゃくちゃ苦労しました。どこの印刷所も自主規制なのか引き受けてくれなくて。探して探してやっと京都のとある印刷会社が引き受けてくれたんです。

 薄いA4版の小冊子を1000部刷って、今年の4月に開催された「フェチフェス」というイベントで売りました。その時の「フェチフェス」のテーマが死とエロだったんですよ。

 そこでも、女の人が並んで買ってくれましたね。なので、女の人は死体の本を買うということがわかりました。あとは、中野にあるタコシェという同人誌も置く本屋でも売っているんですが、バンバンはけて在庫もあと少しになりました。


――写真集が売れたのは、今、樹海がトレンドのせいもあるかもしれませんね。そのうち、「おしゃれな樹海」みたいになっていくかもしれませんね。


■「自殺の森」として世界でブレイク中の樹海

村田 「おしゃれな樹海」になってしまうと、死体の要素はなくなってしまいますよね。ネイチャー系の人は樹海の自然に興味があるかもしれませんが、「死体がある樹海」のほうが全世界では圧倒的な人気ですよね。

 だって、ブラックメタルで「AOKIGAHARA」というバンドがいっぱいありますし。世界でも「スーサイドフォレスト(自殺の森)」と呼ばれているぐらいなので。


――世界でブレイクとは、樹海はすごい吸引力ですね。

村田 森が絵的にもかっこいいですからね。


――海外から樹海までわざわざ自殺しに来る人はいないですか?

村田 それはいないと思いますね。ただ、今は樹海は外人だらけですね。欧米人もアジア人もいっぱい来ています。イエーイとかやっているやんちゃなノリの白人も多いですよね。樹海の入り口となる富士風穴の駐車場とか半分以上、外人の車だったりする時もあります。

 以前、TOCANAでも記事にしたのですが、海外の人気ヘヴィメタルバンド「スリップノット」のリーダー・クラウンさんを樹海で案内したことがありましたね。(こちらの記事)


――村田さんは、樹海に入って運気が上がったとか下がったとか、そういうのあります?

村田 「スリップノット」のクラウンさんは、運気が下がったみたいですが。樹海に行った後、体調崩したり親族が亡くなったりしたそうです。でも、探索した後、富士山本宮浅間大社できちんとお祓いをしたんですけれどね。僕はほんとに、なんともないですね(笑)。

 長年樹海を探索し、数々の死体を目の当たりにしてきた村田氏だからこそ、自殺の森として有名な樹海の生々しい現実が伝わってくる。出版記念インタビュー第2回目では、幽霊も恐れない村田氏が体験した樹海での最恐の出来事、そして、現在追いかけているテーマであるゴミ屋敷や孤独死について語ってもらう。
(取材・文=白神じゅりこ)


※村田らむ氏

  • 8/9 8:00
  • TOCANA

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この記事のみんなのコメント

2
  • トリトン

    8/11 15:43

    溺死死体は酷いものですね、まあ勝手にやれば良いかももう取り憑かれてたりして。

  • 別天津神

    8/11 15:40

    死体マニア?死体を見に行く?不愉快極まりない。己等に死者の呪いが降りかかりますように(´-人-`)ノロワレチマエ!

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