「ミス・シャーロック」サンタにサッカーボールをもらった少年は喜ばなかった、なぜ?(6話心理テスト)

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竹内結子主演のhuluオリジナルドラマ『ミス・シャーロック/Miss Sherlock』。変人の捜査コンサルタント、シャーロック(竹内結子)と凡人の相棒・和都(貫地谷しほり)のコンビが難事件に挑む。

先週の配信で、全8話のうち6話が終了。1話完結の犯罪ものとして進んできたが、シリーズ通しての謎「マリス・ステラ」に一歩踏み込んだ。第7話と第8話ですべてが明らかになる……はず? 今回はネタバレありです。

今一番キナくさい俳優・山田裕貴


元警察庁長官で自由民衆党の国会議員・鷹山幸一(小木茂光)の息子、優一(山田裕貴)のもとに切り取られた血まみれの耳が送りつけられてくる。丁寧に真空パックされていた耳には、サイズの合わない補聴器がつけられていた。

事件の捜査を依頼されたシャーロックと和都は優一のもとへと向かうが、これが典型的なドラ息子。母親(野村真美)の膝に足を投げ出して、スマホゲームでアプリ続けながら、ダルそうに受け答えするばかり。

内角情報調査室の双葉健人(小澤征悦)によると、優一は問題行動が多く、ネコを切り刻んで解剖したり、気に食わない同級生を車で轢こうとしたりしたことがあるという。悪事が露見しなかったのは、次期首相の呼び声も高い幸一がすべてもみ消していいたからだ。

『HiGH&LOW』シリーズなどで活躍する山田裕貴は、今一番キナくさい俳優と言っていい。是枝裕和監督の『万引き家族』でも不穏すぎる幼児虐待親のオーラをほんのわずかな出演でビンビンに放ってみせていた。

結論から言うと、山田演じる優一は今回の事件にはまったくかかわっていない。山田裕貴の出演そのものが視聴者をミスリードしているということだろう。

捜査一課の刑事も科捜研も惨殺!


耳が切り取られた遺体が見つかった。遺体は捜査一課の優秀な刑事・川崎(三月達也)だった。かつて川崎の教えを受けた刑事の柴田(中村倫也)は激昂するが、シャーロックは柴田を指さして「この男を捜査から外すべき」と言い放つ。感情的になっているから冷静な捜査ができないと言うのだ。

常に被害者に寄り添ってきた川崎の姿勢について話す柴田に、「そんなことより事件のことを早く教えて」と追い打ちをかけるシャーロック。ここで感情的にならず、ぐっとこらえて指示どおり事件の概要を話す柴田はとても大人だ。『太陽にほえろ!』の時代の熱血刑事なら、シャーロックにパンチを数発浴びせて外へ飛び出して行っただろう。時代は変わった。

川崎の遺体は、映画『レザボア・ドッグス』でミスター・ブロンドに拷問された警官そっくりだった。作品の中で言及はないが、犯人はミスター・ブロンドのようなサイコパスであることを示している。

今度は鷹山家に、切り取られた指が送られてきた。被害者は、科捜研の向山主任(信川清順)だ。大きな声に異常に弱く、どこかコメディリリーフのようでもあった向山が惨殺されるシーンはさりげなくショック。捜査一課の刑事も科捜研の女も惨殺するなんて、これはテレ朝ドラマへの挑戦だろうか?(深読みしすぎ)

補聴器の持ち主は、高井由梨(寺下怜見)だと判明する。彼女は5年前、ひき逃げで殺されていた。捜査を担当したのが川崎、検証を行ったのが向山だ。証拠は多数あったのに、誰も逮捕されなかった。誰かが容疑者を隠蔽した――。

耳の送り先を書き間違え!


川崎と向山を殺した犯人は由梨の父・高井義之(飯田基祐)だった。高井の居室には、標的である川崎と向山の写真が無数に貼られており、指を切断して真空パックにした作業の痕跡も見つかった。サイコパスの部屋そのものだ。

良心の呵責によって謝罪に訪れた川崎によって、娘をひき逃げした犯人を知った高井は、まず隠蔽に協力した川崎と向山を殺害。そしてひき逃げ犯である鷹山優一……ではなく、父親の鷹山幸一に耳と指を送りつけた。なんと、高井は宛先の「ユウイチ」と「コウイチ」を書き間違えていたのだ!

そんなバカな、と思う向きもあるかもしれないが、これは原作であるシャーロック・ホームズシリーズの短編「ボール箱」のとおり。切り取られた耳が送りつけられてくる事件の発端が同じだが、耳の送り先の宛名が間違っているというところも同じだった。

シャーロックと和都は幸一に会うが、幸一は2人を騙して秘書の飯田(水橋研二)に殺害させようとする。こんな男が与党の次期首相候補だなんて、日本はもうダメだね(現実と虚構を混同)。なんとか危機を脱したシャーロックと和都を見て、幸一は愛車で逃げようとするが、途中で息子の優一を轢いてしまう! 優一はすでに高井に刺殺されていた。息子の遺体を抱いて悲嘆に暮れる幸一を見ながら、高井はシャーロックの前で自分の首を掻き切って自殺! 死体、死体、また死体! ギャー!

恐怖の心理テスト


で、「マリス・ステラ」の話はどうなったのか? マリス・ステラとは、こぐま座の北極星のこと。かつて船員たちは北極星を目印に航海していたので、「導きの星」とも言われている。第1話の犯人・水野亜紀子(水川あさみ)、第3話の犯人・椎名姉妹(紺野まひる、木南晴夏)を犯行に誘導したのはマリス・ステラだった。

シャーロックは高井の居室に貼られた写真のピンから、こぐま座の痕跡を見つける。温和な性格だった高井をサイコパスの殺人鬼に変貌させたのも、マリス・ステラだということだ。シャーロックは「犯罪誘導」について論文を書いた「モリワキ・アキラ」という人物がマリス・ステラだと目星をつけるが……。

「サンタクロースがある少年にサッカーボールをプレゼントしました。でも、その少年は少しも喜びませんでした。なぜでしょう?」というシャーロックが出した心理テストに「少年に足がなかったから」と即答してサイコパスと診断された戦場カメラマンの守谷透(大谷亮平)の動向も気になるぞ。

第7話「最後の事件 前編」では、強力な殺人ウィルスが盗み出される。奪還を依頼されたシャーロックだが……。闇雲にスケールの大きな最終話に向かって待ったなし。本日午前10時配信。
(大山くまお)

●Huluにて配信中

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