歴史に残る「足」のスペシャリストたちのココがスゴかった!~イチロー・広瀬叔功・鈴木尚広~

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 4月29日、東京ドームで行われた巨人vsヤクルトの4回戦で、鈴木尚広(巨人)が通算200盗塁を達成した。日本プロ野球史上72人目、巨人では5人目の快挙である。

 しかし、盗塁は単純に「数」だけでは評価できない。1点差を争う緊迫した場面で警戒するバッテリーの隙をついて盗塁を成功させる。こうしたチームの勝利に結びつく盗塁こそ、価値ある盗塁といえるだろう。

 現在の野球ルールではランナーが盗塁をしても、バッテリーが刺す意思をみせなければ、盗塁はカウントされないこともある。MLBでは暗黙の了解として、大量得点差の試合での盗塁は「盗塁」として認められず、「ディフェンシヴ・インディファレンス(守備側の無警戒)」と記録されるそうだ。今回はメジャーリーグにも日本プロ野球にも詳しい、スマホサイト『週刊野球太郎』編集部に、盗塁にまつわる話を聞いてみた。

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◎やっぱり、イチローはスゴかった!

 「数」だけではそのスゴさを語れない盗塁。「盗塁成功率」も、重要な記録である。日本球界で、盗塁を200回以上企画した選手のうち、最も盗塁成功率が高いのがイチロー(現ヤンキース)だ。イチローはオリックス時代の1995(平成7)年には49個で盗塁王に輝くなど、232回中、199個の盗塁を成功させた。その通算成功率.858は日本プロ野球でNo.1の記録を残しているのだ。

 さらにイチローは2001(平成13)年、メジャーリーグに移籍した1年目に56個で盗塁王のタイトルを獲得。昨季までのメジャー13年間で、472個もの盗塁を記録している。日本での9年間で199個だから、その数は飛躍的に増加したといえるだろう。

 また、昨季までのメジャー通算の盗塁成功率も8割をキープ。イチローといえば安打数に注目しがちだが、日米で盗塁王を獲得した唯一の選手であることも忘れてはならない。

◎連続盗塁成功31回の記録を持つ・広瀬叔功

 盗塁成功率でイチローに次ぐ記録を保持しているのが、かつて南海で活躍した広瀬叔功だ。成功率は.829だが、盗塁企図数はイチローのなんと3倍以上。盗塁企図数719回で、596個の盗塁を決めている。これは300盗塁以上を記録した選手に絞れば、No.1の成功率である。

 また、広瀬は1964(昭和39)年の3月から5月にかけて、連続盗塁成功31回という日本記録を持っている。さらに1968(昭和43)年に樹立したシーズン盗塁成功率.957(成功44、失敗2)は、今も破られていない日本記録(30盗塁以上)である。

◎歴史に残る足のスペシャリスト・鈴木尚広

 盗塁企画数200以上の選手で、イチロー、広瀬に次ぐ盗塁成功率をマークしているのが鈴木尚広だ。200盗塁を達成した4月29日現在、成功率は.820である(企図数は244)。

 鈴木のスゴいところは、何といってもその盗塁の半分以上を、代走で成功している点だろう。通算200盗塁の内訳はスタメン出場時に79個、代走起用を含めた途中出場で121個を記録。特に代走起用時に105盗塁をマークしており、これは相手が「100%走ってくる」と警戒する場面で、多くの盗塁を決めたということでもある。

 さらに鈴木は入団以来、規定打席に到達したシーズンは一度もない。規定打席を1度もクリアせずに200盗塁を達成した選手は、鈴木が日本プロ野球史上初めてだ。

 鈴木が記念すべき200盗塁を決めた状況は、同点の9回1死一、三塁の場面だった。1点取られたらサヨナラということもあってヤクルト内野陣は前進守備を敷き、盗塁に対してほぼ無警戒。そんなシチュエーションで、鈴木は200盗塁を決めた。

 これまで幾多の緊迫した場面で、盗塁を成功させてきた鈴木尚広。きっと野球の神様が、今までの苦労をねぎらう意味で、すんなり記録達成できそうなシチュエーションを与える優しさをみせたのかも知れない。

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