幻のデビュー作『RELAX BOY』が復刊! 渋谷直角インタビュー(前篇)

 『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』が大きな話題を呼んだ渋谷直角氏のデビュー作『RELAX BOY』(小学館クリエイティブ)が復刻された。2000年から2004年まで不定期に連載されていたこの作品は、かつて小数部限定でのみ販売されていた、まさに「幻のデビュー作」だ。
 今回、新たな描き下ろしも収録されて完結を迎えた『RELAX BOY』の秘話を、渋谷氏に伺った。

―デビュー作が復刻されたご感想はいかがですか?

 実は、復刻のお話自体は何年も前から貰っていました。そのときは「機が熟すまで」と言われていたので「熟した―!」と言う感じですね(笑)。『ボサノヴァカヴァー』が反響あったことで、これまでの作品にもスポットが集まって、嬉しかったです。怖さもありましたけどね。

―怖さというと?

 大丈夫かなっていう(笑)。見ての通りアナーキーと言うか、2014年に許されないようなクオリティをお届けしているので、受け入れられるかどうか不安はありましたね。母親にも送ったんですけど『もう、読みにくい!』って怒られました(笑)。

―連載当時の『RELAX BOY』の反響はいかがでしたか?

 良かったんじゃないかと思います。ヒドすぎて(笑)。『リラックス』(マガジンハウス、2006年休刊)の広告マンガだったんですけど、本誌より、他の雑誌に広告として載っているものだったし、電車の中吊り広告にもなっていました。そんなイレギュラーな形態の連載だったから、全部を読むのが大変で、当時は、読めるように出版社でFAXサービスもしていて。こんな感じでマンガ描けるなんて嬉しいな、と思う一方で、アンチもいましたけども。

―どんなアンチがいたんですか?

 まあ、やっぱりこんな内容ですから、「何だコイツは?」「これでいいと思ってんのか?」「調子に乗ってんじゃねえぞ」「俺の方がうまい」とか、そういう声も多かったですよ、当然。ネットでも読者ハガキでも。ヘコみましたけど、それで耐性がついたので良かったです(笑)。

―不定期の連載でしたが、どのようなストーリー設定を考えていたんですか?

 リラックスボーイとブス子のラブストーリー、と言う設定以外は何も決めてませんでしたね。毎月どうしようかなーって考える感じでした。だから、連載当時は物語が回収できていないところがあったりしました。今回の本には、連載バージョンと小数部限定で販売した際に描き直したバージョンの両方が収められてます。新作も描き下ろしていて、これで完結を迎えました。

―「ブス子」は、本当に強烈なキャラクターですよね。

 モデルは、ドラゴンボールのギニュー特戦隊・リクームです。好きなキャラクターなんですよ。ピッコロがモデルだとよく間違われるんですけどね。ベジータの攻撃をものともせず「いいね!」とか言うシーンが怖すぎて。あんなのが女だったらヤだなっていう(笑)。

―作品には『ボサノヴァカバー』につながる「自意識」などのエッセンスがすでにありますよね。

 そうですね。ディティールの細かさとかは今も変わってないと思います。僕は作品内で小物とかCD棚をディテールを異様に細かく描いたり、現実世界の実名をバンバン出すことで、キャラクターの会話にリアリティーが生まれて、自分たちが住んでる世界と地続きにつながっているように感じられるのが好きなんです。その辺は他のマンガよりだいぶ、ねちっこく描いてるかもしれません(笑)。
 この辺の細かさは、僕が基本、ライターなので、漫画家とはまた違うスタンスにいるからかもしれません。

【イベント情報】
渋谷直角トークイベント「RELAX BOY」
2014年1月26日(日)18:00~
会場:stock books & coffee
住所:宮城県仙台市青葉区一番町1-12-7 中川ビル201

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