渡部陽一さんに聞いてみた「インターネットと報道」

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 今回のインタビューは、戦場ジャーナリストの渡部陽一さんです。世界中を渡り歩いてきた渡部さんに、世界から見た日本、そしてインターネットと報道の関係について話を聞いてみました。

――よろしくお願いします。まず最初に、海外から見た日本について教えてください。

 日本に対する関心は高いのですが「まだまだ遠い国」という印象ですね。日本文化には、ドラマ・アニメなどで触れている方もたくさんいますが、実際のことは知らないというケースがほとんどです。そのため、政治・経済はもちろん、若者の様子や流行の音楽などについて、分かりやすく教えてほしいと言われます。戦場に暮らすアフガニスタンやシリアの方からアメリカ軍の兵隊まで、みなさん共通していますね。

――インターネットのお話が出ましたが、ネットの登場で戦争も変わりましたか?

 そうですね。ネットがインフラになった90年代後半以降は、政治家や経営者だけでなく、一兵士までもが情報の重要性を知ることになりました。戦場の最前線ではなく、オフィスや自宅でも、ヒト・モノ・お金をコントロールできるようになったんですね。情報を管理する者が勝利する「新しい戦争の時代」に突入したのだと考えています。

――これまでのメディアとインターネットの違いについて、渡部さんはどう考えていますか。

 新聞・雑誌・テレビやラジオといった従来のメディアは、一方的に情報を投げるだけでした。そこでは「出来レース」のように、最初から答えが決まっている場合もたくさんあったと思います。さらに、一度メディアに攻撃されたら身を守るすべもありませんでした。その点、ネットでは送り手と受け手が互いにやり取りできる双方向性が生まれたことで、新しいコミュニケーションが可能になりました。その面では期待しています。

――渡部さんが考えるネットの弱点とは。

 匿名性です。私たちジャーナリストは、カメラマンでも記者でも、自分の名前を出して発信する責任や恐怖心、リスクを持っています。そうしたリスクを負わない匿名での情報発信では、送り手の良心・本性・残虐性が試されることになると思います。ネットが持つ力をプラスにするか、マイナスにしてしまうかは、使う人次第です。みなさんにも、その点を意識していただけたらいいですね。
(聞き手:NPO法人YouthCreate代表 原田謙介)

※後編では「渡部陽一さんが総理になったら」をお届けします。

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